一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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雨のとき、松ぼっくりが閉じるメリット

質問者:   中学生   エンジェルc
登録番号2967   登録日:2013-09-29
学校で、雨が降ると松ぼっくりが閉じ、乾いたら開くということを習いました。
それで、そのメリットは「種子を守るため」と、「種子を遠くまで飛ばすため」という二つだと教わったのですが、「種子を遠くに飛ばすため」というメリットはなぜなのか分かりません。
教えていただけますか?
エンジェルc様

ご質問ありがとうございます。

まつぼっくりの鱗片は外側の方が内側より乾燥によって収縮しやすいために、乾くと開きます。開くのは鱗片の間にできた羽の付いた種を風をつかって飛ばすためです。雨などで湿ると鱗片は閉じてしまいますが、閉じることで種子散布を促進していることは特に無いかなと思います。何回も閉じたり開いたりすれば、開きっぱなしよりも多少は種が外に出やすくなるかもしれませんが。また、種子は完全にできあがっていますので、閉じることで保護する必要もありません。従って、松かさの開閉は単純に湿ったり乾燥するからおこるのであって、多少は種子の散布に役立つかもしれませんが、保護や散布に重要な役割を果たしているというわけでは無いと思います。日本のマツは湿ると鱗片が閉じますが、一度開くと湿っても鱗片が閉じないマツの種類もたくさんあります。
JSPP広報委員長
長谷部 光泰
回答日:2013-10-11
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