質問者:
小学生
あゆ
登録番号0030
登録日:2004-02-23
私は,今,総合の勉強で水生植物(ウキクサ,アサザ,オモダカなど)の育ち方について調べています。みんなのひろば
水生植物の栄養のとりかたについて
水生植物はどのような栄養をすって大きくなるのかが知りたいです。
どうぞよろしくお願いします。
「あゆ」さん
質問をどうも有り難う。
水生植物について調べているということですが、湖沼に生育する水生の高等植物(いわゆる水草)は、質問にあるウキクサのように、根を持っているけれど水面に浮かんで生育するもの、湖底の土に根を下ろしているけれど葉は水面に出て生育するハスやアサザのようなもの、さらにはカナダモやセキショウモのように根を底土におろして、体は水の中にあるものまで様々です。いずれも植物として必要な栄養の種類は、陸上で生育しているものと全く同じです。湖水や底土中の水に溶けている栄養成分を、植物体表面や根から吸収しています。吸収する栄養成分のうち、植物に多量に必要な元素には、炭素、水素、酸素、窒素、カリウム、リンなどが挙げられます。また、微量でも植物の成長に必要な栄養成分として、カルシウム、マグネシウム、硫黄、塩素、鉄などが挙げられます。これらの栄養成分の元素は、湖水や底土中に溶けており、水生植物はこれらの栄養成分を吸収して成長しています。ウキクサは浮遊性植物なので、主に湖水から栄養成分を吸収していると思われます。アカザやオモダカは、湖底の土の中に根が良く発達していますから栄養の多くは底土からすっている可能性が高いと思います。また、カナダモやセキショウモでは、水中にある葉の表面からも栄養をすっていることが知られています。
水草の中には、その他にもとても面白い仲間がいます。ムジナモやタヌキモと呼ばれる植物達で、高等植物ですが、根がほぼ完全に退化して水面に浮かんで生育しています。これらの植物は、葉が変化した特殊な器官を持っていて、水中のミジンコなどの虫を捕まえそれを栄養にして生育しています。ハエトリソウなどと同じ食虫植物の仲間です。
少し難しい言葉が多かったかもしれませんが、良く観察して水草をかわいがってください。水草にとって、水が汚れると大切な栄養を十分に取り込むことができなくなりますから、湖や川の環境を守ることは、水草の生育できる環境を守ることにつながっています。
太田 経子(奈良女子大学)
質問をどうも有り難う。
水生植物について調べているということですが、湖沼に生育する水生の高等植物(いわゆる水草)は、質問にあるウキクサのように、根を持っているけれど水面に浮かんで生育するもの、湖底の土に根を下ろしているけれど葉は水面に出て生育するハスやアサザのようなもの、さらにはカナダモやセキショウモのように根を底土におろして、体は水の中にあるものまで様々です。いずれも植物として必要な栄養の種類は、陸上で生育しているものと全く同じです。湖水や底土中の水に溶けている栄養成分を、植物体表面や根から吸収しています。吸収する栄養成分のうち、植物に多量に必要な元素には、炭素、水素、酸素、窒素、カリウム、リンなどが挙げられます。また、微量でも植物の成長に必要な栄養成分として、カルシウム、マグネシウム、硫黄、塩素、鉄などが挙げられます。これらの栄養成分の元素は、湖水や底土中に溶けており、水生植物はこれらの栄養成分を吸収して成長しています。ウキクサは浮遊性植物なので、主に湖水から栄養成分を吸収していると思われます。アカザやオモダカは、湖底の土の中に根が良く発達していますから栄養の多くは底土からすっている可能性が高いと思います。また、カナダモやセキショウモでは、水中にある葉の表面からも栄養をすっていることが知られています。
水草の中には、その他にもとても面白い仲間がいます。ムジナモやタヌキモと呼ばれる植物達で、高等植物ですが、根がほぼ完全に退化して水面に浮かんで生育しています。これらの植物は、葉が変化した特殊な器官を持っていて、水中のミジンコなどの虫を捕まえそれを栄養にして生育しています。ハエトリソウなどと同じ食虫植物の仲間です。
少し難しい言葉が多かったかもしれませんが、良く観察して水草をかわいがってください。水草にとって、水が汚れると大切な栄養を十分に取り込むことができなくなりますから、湖や川の環境を守ることは、水草の生育できる環境を守ることにつながっています。
太田 経子(奈良女子大学)
広報委員、奈良女子大学
三村 徹郎
回答日:2006-08-10
三村 徹郎
回答日:2006-08-10