一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アサガオの交配

質問者:   中学生   アサガオ大好き
登録番号3000   登録日:2013-12-11
青色のアサガオと赤色のアサガオを交配しました。母株がどちらであっても同じ結果が出るかもしれませんが、ライガーとタイゴンのように違いが出る可能性もあるので、青を母株にした場合と赤を母株にした場合の両方で試してみました。すると出来た種に違いが出ました。それぞれ母株に似た色の種が出来ました。これはどうしてなのでしょうか。もしかして交配を失敗して、自家受粉してしまったのでしょうか。
アサガオ大好きさんへ

詳しい実験条件を連絡いただきありがとうございます。基礎生物学研究所でアサガオの研究をされている星野敦先生にご回答いただきました。ぜひさらに実験を深めていって下さい。




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交配してできた種子の色が、母株の交配していない種子と同じという観察結果ですね。この観察結果は正しくて、交配が失敗したとは言えません。交配の手順も問題はありません。

交配してできた子供だから、両親の遺伝子型が混じって母株とは違う色の種子も取れると期待されたのだと思います。ですが、種子の中身(胚や胚乳(ただしアサガオは無胚乳種子))は受精してできた細胞に由来して作られますが、種皮は受精とは関係がない母株の組織です。すなわち、両親の遺伝子型が混じってできる形質は種子の中身には現れるけれど、種皮には現れないのです。種皮の色は交配の有無にかかわらず、母株の種子色になります。

交配が成功したかどうかは、種を蒔いて育てた子供達を観察して調べてみてください。できれば取れた種子を全て蒔くのが良いでしょう。葉の模様が種子の色に関係する場合があるので、注目してみてください。それから交配の時期が10/24日だと、寒さのために種子の成熟が不完全になることがあります。ご注意を。
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星野 敦 (基礎生物学研究所)
JSPP広報委員長
長谷部 光泰
回答日:2013-12-13
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