質問者:
一般
くろ
登録番号3008
登録日:2014-01-18
先日、イチゴ農家さんへイチゴを購入しに行きました。いちごの糖度
その時、「今も甘くなってきたけど一番寒い2月ぐらいが一番甘いよ!」
との声をかけていただきました。
一般的に、寒い方が糖度が高くなるのでしょうか。
定期的にその農家さんで購入していますが、これまでの経験上、確かに2月の方が一番甘いような気がしています。
春になるにつれ、甘みより酸味が増してくるように感じます。
そこで、
1.どうして寒い方がイチゴは甘くなるのか。
2.寒暖差が大きい方がイチゴは甘くなるのか。
寒さと養分の観点から、理由を分かりやすく説明していただけるとありがたいです。
くる様
質問コーナーへようこ。歓迎致します。イチゴは、昔は露地栽培が主流だったので、冬には食べられませんでした。今はハウス栽培が定着して年中食べられるので、季節感がなくなりましたね。その上さまざまな品種が相次いであらわれていろいろな味が楽しめます。イチゴは品種によってサイズや形は勿論のこと、香り、味(主として糖度と酸味)も異なります。さてイチゴの甘味は含まれるショ糖の濃度に依存するのは当然ですが、酸味も重要です。舌が甘いと感じる程度は酸味の成分がどのくらい混じっているかによって影響されます。イチゴの酸味の主成分ははアスコルビン酸(ビタミンC)。アスコルビン酸と糖濃度との関係については登録番号1469を読んで見て下さい。ご質問にあるように、確かにイチゴは一般に1〜2月の冬に時期は酸味が減少し、甘味が増してきます。そして、春になって暖かくなると酸味が強くなります。これはアスコルビン酸の含量が増えるからでしょう。植物の開花の時期や、果実の成熟の時期等は単なる気温変化だけではなく、積算温度によって決められることが知られています。質問コーナーで「積算温度」で検索してみて下さい。いくつか関連質問があり、積算温度のことが説明されています。イチゴも収穫までに積算温度が指標とされています。一般に600℃といわれています。もしハウス栽培で室温を20℃に保っていれば、積算温度が600℃になるには一ヶ月かかります。15℃にしてあれば、40日かかることになります。つまり、温度が高いと生長が早いため、じっくりとうま味(甘味を主体とする)の成分の蓄積が起きずどんどんサイズだけの生長が進んでしまうということでしょう。温度が低いと、うま味の成分も蓄積も十分になされるため、甘味のつよいイチゴになると思われます。また、酸味の原因となるアスコルビン酸の濃度が低いことも原因となっているでしょう。寒暖差が大きいことは甘味の増加には関係ないと思います。
質問コーナーへようこ。歓迎致します。イチゴは、昔は露地栽培が主流だったので、冬には食べられませんでした。今はハウス栽培が定着して年中食べられるので、季節感がなくなりましたね。その上さまざまな品種が相次いであらわれていろいろな味が楽しめます。イチゴは品種によってサイズや形は勿論のこと、香り、味(主として糖度と酸味)も異なります。さてイチゴの甘味は含まれるショ糖の濃度に依存するのは当然ですが、酸味も重要です。舌が甘いと感じる程度は酸味の成分がどのくらい混じっているかによって影響されます。イチゴの酸味の主成分ははアスコルビン酸(ビタミンC)。アスコルビン酸と糖濃度との関係については登録番号1469を読んで見て下さい。ご質問にあるように、確かにイチゴは一般に1〜2月の冬に時期は酸味が減少し、甘味が増してきます。そして、春になって暖かくなると酸味が強くなります。これはアスコルビン酸の含量が増えるからでしょう。植物の開花の時期や、果実の成熟の時期等は単なる気温変化だけではなく、積算温度によって決められることが知られています。質問コーナーで「積算温度」で検索してみて下さい。いくつか関連質問があり、積算温度のことが説明されています。イチゴも収穫までに積算温度が指標とされています。一般に600℃といわれています。もしハウス栽培で室温を20℃に保っていれば、積算温度が600℃になるには一ヶ月かかります。15℃にしてあれば、40日かかることになります。つまり、温度が高いと生長が早いため、じっくりとうま味(甘味を主体とする)の成分の蓄積が起きずどんどんサイズだけの生長が進んでしまうということでしょう。温度が低いと、うま味の成分も蓄積も十分になされるため、甘味のつよいイチゴになると思われます。また、酸味の原因となるアスコルビン酸の濃度が低いことも原因となっているでしょう。寒暖差が大きいことは甘味の増加には関係ないと思います。
JSPPサイエンス・アドバイザー
勝見 允行
回答日:2014-01-21
勝見 允行
回答日:2014-01-21