一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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あさがおのグリーンカーテン

質問者:   中学生   かりゆ
登録番号3029   登録日:2014-03-06
こんにちは。
去年朝顔をグリーンカーテンとしてを育てました。葉は生い茂っているのに花はあまり咲かないうえ咲いたとしてもとても小さい花が咲く株と、花はとてもりっぱに咲くが葉があまり生い茂らないのがあって、サツマイモの「つるぼけ」と似ているなと思いました。肥料のやり過ぎは花を作りにくいようにするのでしょうか。
今年も育ててみようかと思いますが、花もきれいに咲くし葉も生い茂る、理想のグリーンカーテンを作るにはどんなことに気をつけたらいいでしょうか。
読みにくい文で申し訳ないです。
回答、待ってます。
かりゆ様

 みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答をアサガオのことならなんでもの新潟大学の竹能清俊先生にお願いしましたところ、以下の様な回答をお寄せ下さいました。竹能先生の提案を参考にしてアサガオを育ててみて下さい。


竹能先生のご回答
 植物の成長には二段階あって、まず葉や茎を作って植物全体が大きくなる栄養成長があり、続いて、花を咲かせ種子を作る生殖成長があります。植物にとっては、大きくなってから花を咲かせた方が、たくさんの種子を残せるので有利です。それで、栄養成長に都合の良い条件下では生殖成長に移りにくい、つまり、花は咲きにくい傾向があります。これが肥料をやりすぎたときに起こる「つるぼけ」で、植物一般に見られる現象です。反対に、肥料をやらなければ小さくても早々と花を咲かせます。このような性質があるので、花もきれいに咲くし葉も生い茂るしという理想のグリーンカーテンを作るのはなかなか難しいです。グリーンカーテンの主目的は葉を茂らせることでしょうから、まず肥料を適度に与えて栄養成長を促し、ほどよく育ったところで強制的に花を咲かせるという作戦はどうでしょう。アサガオは短日植物で、品種により異なりますが、だいたい夜の時間が9時間より長ければ花芽ができ、夜の時間が長いほど花芽の数は多くなります。ですから、遮光シートのようなもので植物を覆って人工的に夜の長さを長くしてやれば花芽はできます。一部の葉を覆っただけでも有効で、数日間の処理で効果があるでしょう。もし、育てている場所が夜間に窓からの光が当たっているようなところなら、部屋の明かりを消して、アサガオに光が当たらないようにするだけでも多少効果はあるかもしれません。いろいろ工夫をしてみてください。

竹能 清俊(新潟大学)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2014-03-12
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