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トマトの夕方の葉の巻き込

質問者:   その他   トマト栽培担当者
登録番号3054   登録日:2014-04-27
初めまして 今年から農業生産法人でトマトの有機栽培を担当をしております。
朝の葉露と昼と夕方の葉の巻き込をチェックして、灌水量の調整をするように教えられているのですが、夕方の葉の巻き込はどういったメカニズムで起こるのでしょうか? 調べてみても、窒素が多いと葉の巻き込が大きいという情報以上のことが得られなかったので、植物生理的なことを教えていただけますとありがたいです。
トマト栽培担当者さま

 みんなのひろばへのご質問有り難うございました。 

 葉の巻き込みをチェックして潅水を調整されておられるようですが、葉の巻き込みは、葉や葉柄の上面だけが生長することによって起きる現象で、上偏生長と呼ばれており、植物ホルモンの一種のエチレンによって引き起されています。上偏生長はトマトだけでなく、ジャガイモ、ソバ、ヒマ、バラ、ヒマワリなどさまざまな植物でみられます。トマトでは根が水に浸かると、エチレン合成のエチレンの一段階前の物質であるアミノシクロカルボン酸が根で作られ、地上部に送られ、そこでエチレンを発生し、上偏生長を起こさせていることが明らかにされていますが、この現象を利用なさっておられるのだと思います。ご質問は夕方に葉が垂れることについてですが、昼間と夜間で植物が姿勢を変える現象を就眠運動と呼んでいますが、トマトの夕方の葉の巻き込みも就眠運動の一種ではないかと思います。良く知られている就眠運動にチューリップの花の開閉運動があります。チューリップの花は気温の高い昼間は開いていますが,気温の低くなる夜になると閉じます。就眠運動でよく研究されているのがインゲンマメの葉の運動で、昼間は光を受けやすいように葉は上を向いていますが、夜間は茎と平行になるくらい垂れてしまいます。光や気温が原因かと思われるのですが、この運動は光をつけっぱなしにした場所(連続光条件下)でも起きますので、植物が持っている内在性のリズムによる現象だと考えられています。トマトの運動を連続光条件下で観察したと云う研究結果を見つけることは出来ませんでしたが、トマトの葉の夕方の巻き込みもリズムの影響も受けているのではないかと思います。巻き込みはエチレンによるものなので、エチレン生成がリズムの影響を受けているのではないでしょうか。
JSPPサイエンス・アドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2014-05-09
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