一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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裏面表皮をはがした葉の光合成

質問者:   教員   葉っぱ
登録番号3064   登録日:2014-05-16
いつも楽しく拝見しております。
ツユクサなどは裏面表皮がはがれやすいのですが、
はがした葉の光合成はどうなるのでしょうか?
水分の蒸発の方が、二酸化炭素の供給より影響がありそうですが...。
よろしくお願いいたします。
葉っぱ さん

本コーナーに関心をお持ち下さりありがとうございます。

ツユクサの裏面表皮がはがされると、同化組織への光と二酸化炭素の供給が促進されるため、光合成速度が増加することが考えられます。しかし、観察されると分かりますが、葉はすぐに萎れ、表側に巻いてゆき、やがては変色してしまいます。こうなった状態では光合成活性は著しく低下しているものと思われます。水の蒸発が原因となって植物体が機能不全になって行くダイナミックな過程ですね。表皮と呼ばれる組織の役割の大きさを改めて痛感させられます。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2014-05-19