一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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花粉の培養

質問者:   その他   佐藤
登録番号0307   登録日:2005-07-13
かんてんで花粉を培養出来るというのを知り、夏休みにやってみたいと思います。

適した花粉の種類を教えていただけますか。
佐藤さん
質問に対して秋田県立大学生物資源科学部の我彦広悦先生に以下のように回答していただきました。むつかしいかも知れませんが、がんばって勉強してみて下さい。葯培養の詳しい仕方は下記にあげられている参考書の他にもあります。図書館や本やさんで植物組織培養に関する書物を探して参考にしてください。

花粉培養は葯培養のことだと思いますが、「植物組織培養の技術」(朝倉書店)に詳しく載っています。イネ、ジャガイモ、タバコが出来ます。タバコを培養するにはおそらく許可が必要です。また、無菌操作のためのクリーンベンチはあるのでしょうか。使用する花粉のステージが大切で、花粉が小胞子と呼ばれる若い葯を使う必要があり、市販の花を買ってきた段階では既に遅い(成熟しすぎている)そうです。植物を育てることから始める必要があるようです。今からだとアラビドプシスなどが出来そうですが新たな挑戦となるかもしれません。成熟した花粉を使っても出来る実験としては、花粉をショ糖を含む寒天にまくと花粉管の伸長が観察できるそうです。酢酸カーミンなどで細胞核を染めても面白いかもしれません。以上は本学の上田先生に伺いました。

花粉管観察の場合の寒天培地についてです。

寒天は1〜2%、ショ糖は5〜15%です。
寒天は1%でも2%でも殆ど変わり無いはずですが、ショ糖は栄養源というよりも浸透圧調節の意味があります。
ですから、例えば植物種によって5、10%、15%などで条件を変えておこなうと良いと思います(濃度が薄いと花粉管の先端が破裂したりします)。
寒天とショ糖以外では、H3BO3、KH2PO4、CaCl2・2H2Oの3つをそれぞれ0.01%となるように加えるのが望ましいですが、これら3つは省略しても花粉管は伸びます。
 我彦 広悦(秋田県立大学生物資源科学部)
JSPPサイエンスアドバイザー
 勝見 允行
回答日:2009-07-03
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