かな様

ご質問どうも有り難うございます。
マツの受精を研究されている平塚理恵先生（東京慈恵会医科大学医学部）に
御回答頂きました。

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マツの雌花（正しくは雌球果；登録番号1623参照）はたくさんのりん片からできていて、１つのりん片には2つの胚珠がついています。「たくさんあるりん片が全部受粉するのか」というご質問ですが、全部が受粉することはないようです。雌花の上部や下部のりん片では受粉していない場合が多く、また、同じりん片についていても1つは受粉し、1つはしていない場合もあります。大きめの雌花をとってりん片をはがしてみると、受粉した胚珠だけが大きくなっているので観察してみてください。もう１つの「全然受粉しなくてもまつかさになるのか」というご質問ですが、まつかさにならないと思います。アカマツの雌花に袋をかぶせて受粉できないようにしておくと1〜2か月ぐらいで雌花は枯れてしまいます。袋をかぶせたことで枯れたのかもしれませんが、イチョウ(裸子植物)でも2つある胚珠の両方とも受粉しない場合、雌花は落ちてしまいます。2個のうち1個が受粉していると落ちずに受粉した方だけが成長します。まったく受粉しないということは種ができないということですから、その場合には雌花を枯らしてエネルギーを節約しているのではないでしょうか。裸子植物の生殖器官は目立ちませんが、興味をもって観察していただけると嬉しいです。

平塚 理恵（東京慈恵会医科大学医学部）