質問者:
一般
にゃんこ
登録番号3078
登録日:2014-06-15
小学生の娘が2年生からミニトマトの自由研究をしています。甘いミニトマトを育てる条件を探しています。日なたで葉の枚数が多いほうが甘く育つ(糖度計で確認済み)までわかりました。みんなのひろば
ミニトマトが赤くなるしくみ
その中で娘は実に太陽の光が直接当たっても当たらなくてもミニトマトの実は赤くなるし、甘くなることをみつけました。それは房のすべての花が小さな実をつけたところで、房全体をリンゴを育てる時にかぶせる非常に遮光性の高い二重の袋で覆い、1か月育てたあと開封して調べたら、袋を数せていないものと同じように真っ赤でかつ甘かったからです。リンゴなどは甘くなっているが、最後に色を付ける時には袋を外して光を当てないと赤くなりません。
また、緑の色で収獲しても室温なら赤くなりますが、冷蔵ではあまり赤くならないこと、もいでしまうと甘さはほとんど増えないことなどから、赤くなるしくみとあまくなるしくみは異なり、甘さは葉で作られた甘さのもとが夜実に移動することで朝どりのミニトマトが甘くなるとこれも調べて確認しました。
しかし、赤くなるしくみの調べ方がわかりません。袋を20こかけた中で緑のままの実が数個房の一番端の実でまざっていたので、緑色に見てるときにも赤色になるようなしくみにスイッチをいれるものがあるのではないか?あとは温度は高いと赤い色のもとのリコピン(これはネットで調べてリコピンとわかった)が増えるのではないか?と考えているようですが、どうすれば確認できるでしょうか?教えてください。お願いします
にゃんこ さん
質問コーナーへようこそ。 歓迎いたします。回答が遅くなってごめんなさい。小学校2年の時からトマトを使ってずっと自由研究を続けているとのこと感心しています。それに良く観察して色々疑問をもつだけでなく、こういうことではないかと自分であれこれ考えるのは素晴らしいことです。沢山葉があって、陽当たりが良い方が甘いトマトが出来ることを見つけたのは観察の成果ですね。 いかに糖度の高い(甘い)トマトを作るかについては栽培上色々工夫がなされています。本学会の質問コーナーでもいくつかこのことに関連した質問を扱っていますので、読んで見て下さい。(登録番号1232, 1772, 2621)
さて、質問は2つ別々にありますが、ここではまとめてお答えします。
まず茎に生えている産毛のようなものですが、これは植物学用語ではトライコーム(毛状突起)といいます、植物には茎だけでなく、葉。果実等にも見られます。これらのトライコームは根の先端付近に見られる根毛とは異なって吸水のためのものではありません。トライコームの役割については、ここで改めて説明するよりは既に質問コーナーで詳しく回答されていますので、それを読んで下さい.自分で色々資料を調べるのも大切なことです。(登録番号0993, 1090, 1993, 2383)
植物の地上部を切り取って地上部を水につけとおくと、茎の切り口や近い所から細い根のようなものが生えてくることがあります。その場合は毛ではなく、不定根(フテイコン)と呼ばれる根です。不定根は根と一緒ですから、ある程度まで生長しますし、吸水もします。挿し木はこの現象を利用したものです。不定根については質問コーナーで「不定根」という言葉で検索して下さい。沢山の関連する質問と回答があります。
植物が水を吸うのは原則、根からです。身体(葉や茎)の表面のからも浸透(吸水ではありません)で水を取り込むこともできます。水を霧状にしてかけてやる場合もありますね。根や茎の切り口から吸い上げられた水は通道組織によって植物体の隅々まで行き渡りますが,身体の表面から滲み込んだ水は局所的は給水だけです。
吸水についても沢山の関連質問がありますので、参考にして下さい。
次にトマトの赤くなる仕組みについて説明しましょう。大変面白い実験をしましたね。素晴らしい着想です。
トマトの色素はお調べになったように、リコペンと言う色素にゆらいするものです。これはニンジンなどの色素と同じくカロテンという一群の色素の一つです。リコペンはトマトの果実が青い時から存在していますが、成熟するまでは一緒に存在するクロロフィル(葉緑素)に隠されてしまってその色は見えません。葉にもカロテンはふくまれていますが、やはりクロロフィルにかくれて見えないのです.しかし、トマトが成熟するとクロロフィルの分解が始まり、かくれていたリコペンの色が出てくるのです。葉では秋になって黄色になるのも同様です。リンゴの赤い色や、紅葉の紅葉等にはアントシアニンという別の色素が関係しており、この色素が出来てくるためには紫外線が必要だと分かっています。トマトのリコペンのことについては登録番号1762を、果実や葉の色素については、「リコペン」、「果実の着色]、「紅葉」、「植物の色素」などの用語で検索して見て下さい。
今回の回答もお薦めした登録番号の回答も娘さんには難しい内容かと思いますのでお母様から易しく説明してあげて下さい。これらの内容を読んで疑問点や更に知りたいことがでてきましたら、どんどんご質問下さい。
質問コーナーへようこそ。 歓迎いたします。回答が遅くなってごめんなさい。小学校2年の時からトマトを使ってずっと自由研究を続けているとのこと感心しています。それに良く観察して色々疑問をもつだけでなく、こういうことではないかと自分であれこれ考えるのは素晴らしいことです。沢山葉があって、陽当たりが良い方が甘いトマトが出来ることを見つけたのは観察の成果ですね。 いかに糖度の高い(甘い)トマトを作るかについては栽培上色々工夫がなされています。本学会の質問コーナーでもいくつかこのことに関連した質問を扱っていますので、読んで見て下さい。(登録番号1232, 1772, 2621)
さて、質問は2つ別々にありますが、ここではまとめてお答えします。
まず茎に生えている産毛のようなものですが、これは植物学用語ではトライコーム(毛状突起)といいます、植物には茎だけでなく、葉。果実等にも見られます。これらのトライコームは根の先端付近に見られる根毛とは異なって吸水のためのものではありません。トライコームの役割については、ここで改めて説明するよりは既に質問コーナーで詳しく回答されていますので、それを読んで下さい.自分で色々資料を調べるのも大切なことです。(登録番号0993, 1090, 1993, 2383)
植物の地上部を切り取って地上部を水につけとおくと、茎の切り口や近い所から細い根のようなものが生えてくることがあります。その場合は毛ではなく、不定根(フテイコン)と呼ばれる根です。不定根は根と一緒ですから、ある程度まで生長しますし、吸水もします。挿し木はこの現象を利用したものです。不定根については質問コーナーで「不定根」という言葉で検索して下さい。沢山の関連する質問と回答があります。
植物が水を吸うのは原則、根からです。身体(葉や茎)の表面のからも浸透(吸水ではありません)で水を取り込むこともできます。水を霧状にしてかけてやる場合もありますね。根や茎の切り口から吸い上げられた水は通道組織によって植物体の隅々まで行き渡りますが,身体の表面から滲み込んだ水は局所的は給水だけです。
吸水についても沢山の関連質問がありますので、参考にして下さい。
次にトマトの赤くなる仕組みについて説明しましょう。大変面白い実験をしましたね。素晴らしい着想です。
トマトの色素はお調べになったように、リコペンと言う色素にゆらいするものです。これはニンジンなどの色素と同じくカロテンという一群の色素の一つです。リコペンはトマトの果実が青い時から存在していますが、成熟するまでは一緒に存在するクロロフィル(葉緑素)に隠されてしまってその色は見えません。葉にもカロテンはふくまれていますが、やはりクロロフィルにかくれて見えないのです.しかし、トマトが成熟するとクロロフィルの分解が始まり、かくれていたリコペンの色が出てくるのです。葉では秋になって黄色になるのも同様です。リンゴの赤い色や、紅葉の紅葉等にはアントシアニンという別の色素が関係しており、この色素が出来てくるためには紫外線が必要だと分かっています。トマトのリコペンのことについては登録番号1762を、果実や葉の色素については、「リコペン」、「果実の着色]、「紅葉」、「植物の色素」などの用語で検索して見て下さい。
今回の回答もお薦めした登録番号の回答も娘さんには難しい内容かと思いますのでお母様から易しく説明してあげて下さい。これらの内容を読んで疑問点や更に知りたいことがでてきましたら、どんどんご質問下さい。
JSPPサイエンス・アドバイザー
勝見 允行
回答日:2014-07-02
勝見 允行
回答日:2014-07-02