一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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とうもろこしの雄花に実のようなものが

質問者:   小学生   しょうや
登録番号3100   登録日:2014-07-25
小学二年生です
学校でとうもろこしを育てています
自由研究で調べようと見ていたら
雄花の一本に黄色い実のような物がついていました
それにめしべのような、ひげもついていました
雄花にみがつくこともあるのでしょうか?
どうしてこんなになったのでしょうか?
教えてください
よろしくお願いします
しょうや様

ご質問どうも有難うございました。
名古屋大学大学院生命農学研究科の佐藤豊先生に御回答
頂きました。


トウモロコシには雄花(おばな)と雌花(めばな)があること、よく知っていましたね!
葉っぱのつけねから、にょきにょきでてくるトウモロコシのみ(たべるところ)には、雌花(めばな)があって、茎(くき)のてっぺんにある穂(ほ)には雄花(おばな)があるんですよね。

花をさかせるおおくのしょくぶつは、一つの花の中におしべとめしべがあります。ところが、トウモロコシのばあいはすこしちがいます。
トウモロコシでは、雄花(おばな)にはおしべはありますが、めしべはありません。ぎゃくに、雌花(めばな)にはめしべはありますが、おしべはありません。雌花(めばな)にあるめしべからのびているヒゲに、雄花(おばな)からおちた花粉(かふん)がつくことにより、トウモロコシはみをつけることができます。なので、ふつうは雄花(おばな)にみがつくことはありません。

それでも、ときどき雄花(おばな)があるところににみがつくことがあります。ねっしんにかんさつしていたので、めずらしいみにきがついたんですね。
雄花(おばな)があるところにみがついたりゆうは、しょうやくんのかんさつにヒントがあります。雄花(おばな)があるところについたみには、ヒゲがついていたのですよね。このヒゲはめしべからのびています。トウモロコシのめしべは雌花(めばな)にしかありません。つまり、雄花(おばな)を作るばしょにまちがって雌花(めばな)ができてしまったためにみがついたのでしょう。ふつう
このようなまちがいはめったにおきませんが、トウモロコシのしゅるいによっては、このまちがいがよくおこることがあります。また、そだてるかんきょうによってもこのまちがいがおきやすくなることがあります。

少しくらい茎(くき)のてっぺんにある穂(ほ)にみがついてもまだたくさんの雄花(おばな)があります。そこからたくさんの花粉(かふん)ができますから、しょうやくんのトウモロコシの葉っぱのつけねのほうにもきっとたくさんのみがついたと思います。

佐藤豊(名古屋大学大学院生命農学研究科)
JSPP広報委員長
松永幸大
回答日:2014-08-05