一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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プリザーブドフラワーについて

質問者:   一般   あきら
登録番号3106   登録日:2014-08-01
プリザーブドフラワーを作成しているときに疑問に思ったことが二点ありましたのでご質問させて頂きます。宜しくお願い致します。

①:なぜプリザーブドフラワーは枯れないのか?もしくは枯れているとしたらなぜ茶色く変色しないのか?

プリザーブドフラワーを作る工程では、まずアルコールによって脱色し、その後プロピレングリコールなどによって細胞内部の液を置換していると記載されていました。脱色し、着色を行わなければ白いまま維持することが可能です。私なりの解釈では脱色工程では花弁内部の色素であるアントシアニン類(赤いバラにてプリザーブドフラワーを作成しました。)や枯れた時に茶色に変色する原因物質の両方とも引き抜いているのではないか。なので、細胞壁など頑丈な組織をそのままに、様々な色素(その他)をプロピレングリコールのようなもので置換することで綺麗なまま(茶色にならずに)花の形や質感を維持することができているのではないかなと考えております。

②:花弁が枯れたとき、茶色になる要因は何なのでしょうか?

枯れる前は綺麗な赤色をしている花弁も枯れてしまうと茶色く変色してしまいます。枯れる前に存在した赤い色素はどうなってしまったのでしょうか。赤い色素が残っているにもかかわらず茶色くなるのが不思議です。色素が分解などしてしまったのでしょうか。また、葉が紅葉や落葉するのとメカニズムは一緒なのでしょうか。

宜しくお願い致します。
あきら様

ご質問どうも有難うございました。

まず、「①:なぜプリザーブドフラワーは枯れないのか?もしくは枯れているとしたらなぜ茶色く変色しないのか?」につきましては、ご指摘の通りです。アルコールを中心とした溶液により脱水や脱色を行い、その後着色をします。プロピレングリコールや、ポリエチレングリコールは、柔らかな質感を保つために重要なようです。

「②:花弁が枯れたとき、茶色になる要因は何なのでしょうか?」
につきまして、花弁が茶色に変色するのは、花弁に存在する物質の酸化で説明できます。落葉した葉が茶色になるのと同じ仕組みと言えます。登録番号1105に落葉した葉が茶色になることの説明が、また紅葉の仕組みについては、登録番号0388や0425などに説明がありますので、ご参考ください。
JSPP広報委員
東山 哲也
回答日:2015-01-08
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