一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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生育光線の波長帯

質問者:   一般   山口
登録番号3144   登録日:2014-09-11
遠赤外線で、生育光線と呼ばれている波長帯はどの辺を言うのでしょうか。

4〜11μとか狭義では6〜8μだとか、諸説紛々で、よく分かりません。

よろしくお願い致します。
山口 様

ご質問をありがとうございます。
「生育光線」と言う用語は、医療分野などで使われていますね。私が理解するところでは、遠赤外光の短波長部分の電磁波(光線)で、分子の振動スペクトル(大まかには3-30μm)に対応しているため、生体分子によるエネルギー授受の結果と思われる生理作用への影響が期待(観測)される領域の光線が「生育光線」と呼ばれているようです。
関連した説明になりますが、「可視光線」の場合は、“人間の目に光として感ずる波長範囲の光線”をさしており、その範囲を正確な数値として示すことは通常されません(もっとも、実用的には数値によって可視光線を再定義することが行われています)。「生育光線」の場合にも、生育促進などの生理的な効果がある波長領域を正確に、一般的に確定することには困難が伴うと思います。この事情に加えて、問題の光線を出す光源(ジルコニウムを用いるファインセラミックなど)の波長特性にも由来し、いろいろな数値が使われて混乱しているように見えます。

以上、お求めの回答になっておりませんが、参考までに書かせいただきました。詳しくは、「光医学」や「遠赤外線工学」の分野で調べられることをお勧めします。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2014-09-12
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