質問者:
教員
M
登録番号3162
登録日:2014-10-20
先日、植物の勉強会で山を散策しました。その際、複数のジュウモンジシダが円を描くように並んで生えていました。同様の光景を他の山でも見たことがあり、植物に詳しい先生に伺うと、原因はわからないけれどもシダの中にはそのような生え方をするものがあるとのことでした。みんなのひろば
シダ植物はなぜまるく並んで生えるのか
ここで疑問に思ったのですが、このような生えかたはどのような原因によって生じるのでしょうか。偶然によってたまたま並んでしまったわけではないと思うのですが・・・。調べてみましたが、なかなか答えが見つかりません。過去に同じ質問もないようなのでお伺いしました。どうぞよろしくお願い致します。
ご質問どうも有難うございます。
シダ植物の多様性を御研究されている国立科学博物館の加藤雅啓先生に御回答頂きました。
なかなかの難問です。野外で観察していても、シダがどう並んでいるかまでは注意することはあまり多くありません。単独で生えている他、複数の場合、円状以外に円弧状、あるいはもっと不規則に並ぶこともあるかもしれません。私自身、ゼンマイが同心円的に並んでいたので注意して見たところ、元は1個体の根茎が枝分かれしながら周りに広がっていき、一方で中央の古いところから枯れる(少なくとも葉をつけなくなる)ので、結局、いくつかの株が同心円的に並んでいると判断しました。そのほかのシダでも同じような同心円的配列を見た記憶がありますが、かなり前のことで種類や場所は忘れてしまいました。それ以外の分枝のしかたによって同心円的あるいは円弧状に並ぶこともありえます。この場合は、シダ自身の成長に起因して起こると考えられます。根茎が短く斜上するとされていても、シダによってはある程度は横に伸びるものです。それとは別に、私の知人は、ヒサカキなど低木の枝先がたまたま同心円状に並んでいてその下でシダが同心円的に配列しているのを観察しています。この場合は、葉についた胞子がしずくとともに落下して、そこで生まれた配偶体から個体ができると考えられるということです。この場合は、自生地の状況という外的要因に起因するのでしょう。このように原因は複数が考えられますが、他にもあるかもしれません。お尋ねのジュウモンジシダではどうして同心円的に並んでいるのかお答えできませんが、今度、野外で注意したいと思います。
加藤 雅啓(国立科学博物館)
シダ植物の多様性を御研究されている国立科学博物館の加藤雅啓先生に御回答頂きました。
なかなかの難問です。野外で観察していても、シダがどう並んでいるかまでは注意することはあまり多くありません。単独で生えている他、複数の場合、円状以外に円弧状、あるいはもっと不規則に並ぶこともあるかもしれません。私自身、ゼンマイが同心円的に並んでいたので注意して見たところ、元は1個体の根茎が枝分かれしながら周りに広がっていき、一方で中央の古いところから枯れる(少なくとも葉をつけなくなる)ので、結局、いくつかの株が同心円的に並んでいると判断しました。そのほかのシダでも同じような同心円的配列を見た記憶がありますが、かなり前のことで種類や場所は忘れてしまいました。それ以外の分枝のしかたによって同心円的あるいは円弧状に並ぶこともありえます。この場合は、シダ自身の成長に起因して起こると考えられます。根茎が短く斜上するとされていても、シダによってはある程度は横に伸びるものです。それとは別に、私の知人は、ヒサカキなど低木の枝先がたまたま同心円状に並んでいてその下でシダが同心円的に配列しているのを観察しています。この場合は、葉についた胞子がしずくとともに落下して、そこで生まれた配偶体から個体ができると考えられるということです。この場合は、自生地の状況という外的要因に起因するのでしょう。このように原因は複数が考えられますが、他にもあるかもしれません。お尋ねのジュウモンジシダではどうして同心円的に並んでいるのかお答えできませんが、今度、野外で注意したいと思います。
加藤 雅啓(国立科学博物館)
JSPP広報委員長
松永 幸大
回答日:2014-11-05
松永 幸大
回答日:2014-11-05