質問者:
会社員
ぽてと
登録番号3170
登録日:2014-11-06
切り花を購入したのですが、花の真ん中の黄色いところから花びらが出てきました。花の真ん中から
多分、菊の仲間の花だと思うのですが、ひとつの花だけ白い花びらが出てきました。
花びらは赤紫色です。
これはなんなんですか?
ぽてと様
みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答を東京大学大学院の塚谷裕一先生にお願いいたしましたところ、以下の様な回答をお寄せくださいました。塚谷先生のご回答を読んで、私も勉強させて頂きました。
塚谷先生のご回答
これは小菊ですね。キク科の植物は、一見花のように見えるものは全体が花序であり、花弁のように見えるもの1枚1枚が舌状花、おしべのようなのが1つ1つ筒状花、というのはご存じだと思います。
こういう構造を頭花と言います。これは花序、つまり枝ですが、正常な頭花の場合は、芯の部分の成長が停止して、打ち止めになる仕組みが働きます。そのために、ふつうはヒマワリでもコスモスでも、真ん中に行くにつれて花が小さくなり、ついには何もなくなって一つのまとまりであり続けるわけです。ところが本来は枝なものですから、うっかりするとその芯の部分がもう一度別の成長をやりなおそうとすることがあります。この時、普通の茎葉をつけてしまうこともあれば、もう一度花を作り直すこともあります。そういう現象を貫生といいます。この切り花の場合も、栽培条件か何かでうっかり間違えて、芯の部分がもう一度花を作り直したのでしょう。外側の舌状花が紫なのに、芯の部分から出た舌状花が白いのは、これは切り花にして栄養補給が途絶えたからです。紫の色素は、葉で光合成して作る糖分を材料にして作りだされるので、つぼみの状態で切り取られてしまいますと、本来なら紫に咲く花も、後から咲くものほど白く色が作れない状態になります。
今回のものは、以上の2つのことが合わさって起きた現象だと思います。
塚谷 裕一(東京大学大学院・理学系研究科 教授)
みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答を東京大学大学院の塚谷裕一先生にお願いいたしましたところ、以下の様な回答をお寄せくださいました。塚谷先生のご回答を読んで、私も勉強させて頂きました。
塚谷先生のご回答
これは小菊ですね。キク科の植物は、一見花のように見えるものは全体が花序であり、花弁のように見えるもの1枚1枚が舌状花、おしべのようなのが1つ1つ筒状花、というのはご存じだと思います。
こういう構造を頭花と言います。これは花序、つまり枝ですが、正常な頭花の場合は、芯の部分の成長が停止して、打ち止めになる仕組みが働きます。そのために、ふつうはヒマワリでもコスモスでも、真ん中に行くにつれて花が小さくなり、ついには何もなくなって一つのまとまりであり続けるわけです。ところが本来は枝なものですから、うっかりするとその芯の部分がもう一度別の成長をやりなおそうとすることがあります。この時、普通の茎葉をつけてしまうこともあれば、もう一度花を作り直すこともあります。そういう現象を貫生といいます。この切り花の場合も、栽培条件か何かでうっかり間違えて、芯の部分がもう一度花を作り直したのでしょう。外側の舌状花が紫なのに、芯の部分から出た舌状花が白いのは、これは切り花にして栄養補給が途絶えたからです。紫の色素は、葉で光合成して作る糖分を材料にして作りだされるので、つぼみの状態で切り取られてしまいますと、本来なら紫に咲く花も、後から咲くものほど白く色が作れない状態になります。
今回のものは、以上の2つのことが合わさって起きた現象だと思います。
塚谷 裕一(東京大学大学院・理学系研究科 教授)
JSPPサイエンス・アドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2014-11-10
柴岡 弘郎
回答日:2014-11-10