一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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イヌマキとラカンマキの交雑について

質問者:   会社員   Sontyou
登録番号3183   登録日:2014-11-12
登録番号3160(イヌマキの胎生種子要件)でご回答いただきありがとうございました.遺伝的背景についても考慮して,今後も観察をしようと思います.
さて,イヌマキの遺伝的背景というところから,また質問させていただきいと思います.

日本において遺伝的に「マキ」に属するものは「イヌマキ」と「ラカンマキ」があり,ネット上では,ラカンマキはイヌマキの変種で中国原産との情報が見受けられます.
実際に庭木や生垣を見ていると恐らくラカンマキであろうと思われるような,葉が細く短く枝に密集してついているものをよく見かけます.

そこで,質問です.
①イヌマキとラカンマキが,花粉飛散範囲に存在していた場合,イヌマキの花粉がラカンマキの雌花に,あるいはラカンマキの花粉がイヌマキの雌花に届いたときに,受粉するのでしょうか?
②受粉するとしたならば,実(種子)がなり,その実(種子) は発芽するのでしょうか?
③発芽するとしたならば,その樹の遺伝型&表現型の形質はどのようになるのでしょうか?
④雌雄異株なので自家受粉はなく,純粋な第二世代(F2)は起こりにくいとは思いますが,もし同じような事が起こるとしたら,遺伝型&表現型の形質はどのようになるのでしょうか?
⑤自然界で交雑種は存在しているのでしょうか?

以上 ご教授のほどお願いいたします.
Sontyou様

ご質問どうも有難うございます。
私が調べた限りでは、イヌマキとラカンマキの交雑に関する記載は見つけられませんでした。しかし一般論として、裸子植物の異種間でも交雑は起こります。例えば浸透性交雑という言葉を調べて頂くと、自然界でのダイナミックな交雑の一端を知ることができると思います。イヌマキとラカンマキの場合は同種間ですので、おそらく受精は起こり、発芽する種子もできるのではないかと思います。同種間ということで通常の遺伝様式を示すのではないかと予想しますが、生殖が起こるようでしたら、葉の形態など表現型も含めて調べてみてはいかがでしょうか。
被子植物のようには簡単にはいかないかも知れませんが、取り組んでみると面白いのではないかと思います。
JSPP広報委員:名古屋大学大学院理学研究科
東山哲也
回答日:2014-12-26
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