質問者:
一般
りんご
登録番号3185
登録日:2014-11-23
紅葉の仕組みについて落葉前の養分の回収
難しいことはわかりませんが以下のように受け止めました
離層ができて葉にでんぷんが蓄積され糖に変わる、クロロフィルが分解されアミノ酸に変わる
そして糖とアミノ酸からアントシアンができる=紅葉
そして離層が完成し落葉する
一方、落葉する前に葉の養分を回収すると聞きましたが、何を回収するのですか
離層ができていたら回収できないと思うのですが・・
回収してしまったら葉に何もなくて紅葉しないのではないでしょうか
しろうとの変な質問ですいません
みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
落葉過程の順番に関しては基本的にご理解のようですが、葉におけるでんぷんの蓄積やクロロフィルの分解、アントシアンの形成などは離層形成と同時進行的に進むこと、アントシアンには窒素は含まれていないのでその生合成にアミノ酸は直使用されないことを付言いたします。
離層形成が始まってから完成、落葉に至るまでは時間のかかる作業です。いろいろな理由で葉が老化段階に入ると離層の形成が始まると同時に組織内にある養分の回収が始まります。クロロフィルやたんぱく質、核酸の分解が始まり、窒素はアミノ酸として、貴重なミネラル類(リン、カリウムなど)の多くはイオンの形で、まだ機能が残っている維管束を通して茎、根などへ運ばれ貯蔵されます。アントシアンの合成はこの時期に起こりますので紅葉となります。しかし、葉の力学的な構造部分である細胞壁のセルロースやリグニンなどは分解されないで残るため、葉の形を保ったまま落葉することになります。また、アントシアンやカロテノイドの一部も分解されないで残ることがありますので紅葉も色づいたまま落葉します。自然の環境下では葉身の老化とともに離層形成、養分回収が進み、これらの作業が終わったころ離層は完成し維管束の通導機能はなくなります。しかし形態的に離層が完成したらすぐに落葉するものではなく、それから離層細胞が自身の細胞接着を緩めるような作業をして接着力の減少、離層細胞の部分的崩壊の結果、残った葉身が母体から離れることになります。
落葉過程の順番に関しては基本的にご理解のようですが、葉におけるでんぷんの蓄積やクロロフィルの分解、アントシアンの形成などは離層形成と同時進行的に進むこと、アントシアンには窒素は含まれていないのでその生合成にアミノ酸は直使用されないことを付言いたします。
離層形成が始まってから完成、落葉に至るまでは時間のかかる作業です。いろいろな理由で葉が老化段階に入ると離層の形成が始まると同時に組織内にある養分の回収が始まります。クロロフィルやたんぱく質、核酸の分解が始まり、窒素はアミノ酸として、貴重なミネラル類(リン、カリウムなど)の多くはイオンの形で、まだ機能が残っている維管束を通して茎、根などへ運ばれ貯蔵されます。アントシアンの合成はこの時期に起こりますので紅葉となります。しかし、葉の力学的な構造部分である細胞壁のセルロースやリグニンなどは分解されないで残るため、葉の形を保ったまま落葉することになります。また、アントシアンやカロテノイドの一部も分解されないで残ることがありますので紅葉も色づいたまま落葉します。自然の環境下では葉身の老化とともに離層形成、養分回収が進み、これらの作業が終わったころ離層は完成し維管束の通導機能はなくなります。しかし形態的に離層が完成したらすぐに落葉するものではなく、それから離層細胞が自身の細胞接着を緩めるような作業をして接着力の減少、離層細胞の部分的崩壊の結果、残った葉身が母体から離れることになります。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2014-11-26
今関 英雅
回答日:2014-11-26