一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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かいわれダイコンを食紅を使用し赤い水で育てましたが赤くならないです

質問者:   小学生   まさみちお
登録番号3189   登録日:2014-11-30
学校で「ほうせんか」を使って色水をで育てたら、道管が赤くなったので、家で「かいわれダイコン」を同じように実験をしたが、赤く染まりませんでした。「かいわれダイコン」は染まらないのですか?
まさみちおーさん

質問コーナーへようこそ。かんげいいたします。植物に色のついた水を吸わせて、茎や葉の道管がその色で染まるのを観察する実験は小学校でよくおこなわれますね。そのとき実験植物としては、やはりホウセンカがよく使われます。それはホウセンカが観察しやすい植物だからです。
はじめに、この実験はどういう目的でおこなうのかということを考えてみましょう。あるいは、すでに学校できいて知っているかもしれませんね。色ついた水を吸わせるのは、もちろん植物をそめるのが目的ではありません。植物は生きていくために、ふつう根から水を吸い上げて地上の茎や葉に供給(きょうきゅう)します。このとき、水はきまった通路を通って運ばれます。この通路は道管とよばれています。じゃ、「水は本当にそういう通路を通ってはこばれるのか」「その通路は植物の身体のどの部分にあるのだろうか」ということを目で確かめるのはどうしたらよいでしょうか。そこで、水に色をつけて植物に吸わせてやると、これらのぎもんの答をみつけることできるのです。根から水を吸い、道管を通って植物体内をはこばれるというしくみはどの植物も同じです。だから、カイワレダイコンでも同じです。
まさみちおーさんが実際にどのように実験したのか質問には書いてありませんので、赤くそまらない理由についてはなんともいえません。ただ、ホウセンカの茎は、ややすけて見えるような感じなので、赤くそまった道管が外からみやすいのにたいして、カイワレダイコンの茎は濃い白色でしかも細いので、中の赤くそまった道管のじょうたいが見えづらいのかもしれません。食紅を吸わせたカイワレダイコンの茎を何カ所かで輪切りにし、切り口を観察してみて下さい。赤い点がみられれば、そこが道管の場所です。ただし、安全カミソリのような薄い刃物で切り口をきれいに切るのが望ましいです。きけんですから注意して使って下さい。お父さんかお母さんに切ってもらうのがいいでしょう。
なお、同じような実験についての質問はいくつかありますので、質問コーナーでけんさくして見て下さい(例えば登録番号2723)
JSPPサイエンス・アドバイザー
勝見 允行
回答日:2014-12-03
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