一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ミニトマトの茎から生じる根のようなもの

質問者:   公務員   でん
登録番号0319   登録日:2005-07-31
もうかなり、大きくなったミニトマトの地際の茎がでこぼこして根のようなものが出ているのを見つけました。
これは気根だと思われますが、でこぼこした部分の細胞がどのように変化したのでしょうか。

また、その原因としてはどのようなことが考えられますでしょうか。
ミニトマトだけでなく、ナスなどにも見られます。
でん様
 みんなの広場へのご質問ありがとうございました。サイエンス・アドバイザーを勤めさせていただいている柴岡弘郎ともうします。私が直接ご回答もうしあげます。

 根元に見られる根のようなものは、気根というほど特殊化したものではなく、不定根(茎などに形成される根をこう呼びます)が形成され、少し伸びた後、環境が整わないため(多くの場合、水不足)伸びきらずにいるものと思います。顕微鏡をお持ちでしたら、横断切片を作り、この根のようなものが内皮の内側の内鞘から出ているかどうかを確かめられると、根であることが判ります。簡単には土寄せをしてやるか、地下部から切り離し、水に漬けるかした時、根として伸びてくるかどうかを見ることで判断できます。不定根の形成にはオーキシンというホルモンが関係しておりますが、オーキシンは地上部の先端で作られ、下へと移動し、根で酸化的に分解されると考えられています。根への酸素供給が悪いと、上部から送られて来たオーキシンが分解されず溜まるので、この溜まったオーキシンの働によって茎の基部に不定根が形成されると考えられています。
JSPPサイエンスアドバイザー
 柴岡 弘郎
回答日:2009-07-03
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