一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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窒素同化について

質問者:   高校生   モ
登録番号3223   登録日:2015-02-13
生物の勉強をしていて疑問に思いました。
窒素同化を行う生物は光合成細菌なのですか??
モ さん

本コーナーにご質問をありがとうございます。

「窒素同化」とは、外界に存在する硝酸塩、窒素ガス(分子状窒素)、アンモニアなどの無機窒素化合物を、生体成分としてのタンパク質や核酸その他の化合物を構成する有機態窒素に変える過程をさします。窒素同化は、高等(陸上)植物から細菌にわたる広範囲の生物により営まれますが、同化に利用できる無機窒素化合物の形態は生物によって異なります。窒素ガスが有機化合物に変換される場合は「窒素固定」と呼ばれています。窒素固定を行うことができる生物は原核生物の一部に限られており、真核生物が窒素固定を行うように見える場合は、共生する細菌の働きに因っております。窒素固定を行う生物としては、アゾトバクター(Azotobacter)やクロストリジウム(Clostridium)などの好気性あるいは嫌気性細菌の例が有名ですが、光合成細菌(酸素を発生しない光合成を営む原核生物)、シアノバクテリア(酸素を発生する光合成を営む原核生物)の仲間には窒素固定を行うものが数多く知られています。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2015-02-16