質問者:
その他
グリーンペペ
登録番号3256
登録日:2015-04-20
先月買ったミニバラの白の茎から黄色のバラの花が咲きました。それって良く有ることですか。
バラの花について
グリーンペペ様
みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答を奈良女子大学の鈴木孝仁先生にお願い致しましたところ、以下の様な詳しいご回答をお寄せ下さいました。参考になると思いますので、しっかり勉強して下さい。
【鈴木先生からのご回答】
ミニバラは矮性のバラの総称で、元は中国産に由来すると言われています。花の色を決めているのは、フラボノイドと総称している色素分子です。青から紫色の花の色はアントシアニジン、アントシアニジンに糖が結合すると赤系統の色のアントシアニンになります、こうした色素はフェニルアラニンというアミノ酸から合成されますが、アントシアニンが出来るまでの経路の途中で枝分かれして黄色色素のフラボノールがつくられます。白い花のミニバラには沢山の園芸種がありますが、こうしたアントシアニジン、フラボノール、アントシアニンがすべて合成されて花に含まれた栽培種では、花が白色になります。実際、ミニバラの白色系統のものでは、花が黄色味ががった種類や、ピンクが混ざった種類が多く見られます。
これらの色素は多くの遺伝子のはたらきでできますが、アントシアニンをつくるまでの遺伝子のどれかが失われるか、あるいはこれら遺伝子のはたらきが抑えられるとフラボノールが多くなって花の色が黄色になります。一本の茎にのみ黄色の花ができたとすると、この茎では体細胞変異が起こった可能性があります。この変異は生殖細胞ではなく細胞分裂で増殖している体細胞に起こるので、とくに体細胞変異と言います。白いミニバラは様々な栽培種の間での交配でできたと想像できますので、染色体の構成が複雑になっているものと考えられます。そのうちの特定の染色体が失われてフラボノールの割合が多くなった場合や、劣性の突然変異が潜んでいて表現型には現れずにいたのが体細胞の分裂増殖の過程でホモ接合の状態になって表現型として現れた結果、フラボノールが多くなった場合などが可能性として考えられます。
鈴木 孝仁(奈良女子大学)
みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答を奈良女子大学の鈴木孝仁先生にお願い致しましたところ、以下の様な詳しいご回答をお寄せ下さいました。参考になると思いますので、しっかり勉強して下さい。
【鈴木先生からのご回答】
ミニバラは矮性のバラの総称で、元は中国産に由来すると言われています。花の色を決めているのは、フラボノイドと総称している色素分子です。青から紫色の花の色はアントシアニジン、アントシアニジンに糖が結合すると赤系統の色のアントシアニンになります、こうした色素はフェニルアラニンというアミノ酸から合成されますが、アントシアニンが出来るまでの経路の途中で枝分かれして黄色色素のフラボノールがつくられます。白い花のミニバラには沢山の園芸種がありますが、こうしたアントシアニジン、フラボノール、アントシアニンがすべて合成されて花に含まれた栽培種では、花が白色になります。実際、ミニバラの白色系統のものでは、花が黄色味ががった種類や、ピンクが混ざった種類が多く見られます。
これらの色素は多くの遺伝子のはたらきでできますが、アントシアニンをつくるまでの遺伝子のどれかが失われるか、あるいはこれら遺伝子のはたらきが抑えられるとフラボノールが多くなって花の色が黄色になります。一本の茎にのみ黄色の花ができたとすると、この茎では体細胞変異が起こった可能性があります。この変異は生殖細胞ではなく細胞分裂で増殖している体細胞に起こるので、とくに体細胞変異と言います。白いミニバラは様々な栽培種の間での交配でできたと想像できますので、染色体の構成が複雑になっているものと考えられます。そのうちの特定の染色体が失われてフラボノールの割合が多くなった場合や、劣性の突然変異が潜んでいて表現型には現れずにいたのが体細胞の分裂増殖の過程でホモ接合の状態になって表現型として現れた結果、フラボノールが多くなった場合などが可能性として考えられます。
鈴木 孝仁(奈良女子大学)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2015-04-22
柴岡 弘郎
回答日:2015-04-22