一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物の光合成

質問者:   会社員   徳田浩司
登録番号3308   登録日:2015-06-29
有機質肥料を撒くと分解に伴い二酸化炭素が発生しますが、植物の光合成にはどの程度影響を与えるのでしょうか?少量だとは思うのですが、土から発生するので意外と吸収しやすいのでしょうか?よろしくお願いいたします。
徳田浩司 様

ご質問をありがとうございます。
土壌に撒かれた有機質肥料は、微生物の呼吸や発酵のような生理作用などにより、最終的には二酸化炭素などに分解されます。ご指摘のようにこの分解の反応は植物体に比較的に近い場所でおこるので、微環境での二酸化炭素濃度を増加させ、光合成速度の上昇をもたらすことが期待できます(多くの場合、光合成速度は二酸化炭素に律速されているので)。実際、「有機質肥料の施肥による二酸化炭素施肥効果」などをテーマに研究が行われているようです。効果が現れるかどうかは、植物の種類・散布される肥料の種類・肥料の量・土壌の水分含量や微生物相(土壌の質)・温度条件などに大きく依存することになります。当然、有機質肥料施肥による別の効果も考えられるので、解析のための基礎資料として、先ずは局所的な二酸化炭素濃度の測定が重要になるかと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2015-07-01
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