質問者:
高校生
みたゃ
登録番号3310
登録日:2015-06-30
こんにちは。みんなのひろば
植物色素の紫外線カット効果
私は課題研究で植物色素の紫外線カット効果についての研究をしています。調べたところ、クロロフィルとアントシアンにその効果があるようで、本当にその効果があるのか実験してみました。
実験内容は上記の色素二つと、その他の色素としてカロテンとリコピン、それぞれを多く含む野菜から色素を抽出し、シャーレにいれてブラックライトを当てて紫外線測定器で紫外線カット量を調べるというものです。抽出したクロロフィルとアントシアンは随分色が濃く、リコピンとカロテンはかなり薄めと、色の濃さの違いが気になったので、水に絵の具を溶かした色水(濃いものと薄いもの)でも上記の実験を行いました。
結果はクロロフィルとアントシアンは確かに他の色素よりカットしていました。色水は濃いもののほうがカットされていました。色水の実験から、濃ければ濃いほどカットされることがわかり、色素のほうも色素自体にカット効果があるのではなく単に色が濃いからカットされたように思われるのですが、本当に色素に紫外線カット効果はあるのでしょうか?また、あるとすればどのような実験でそれが証明できるのでしょうか…。
返答、よろしくお願いします。
長文失礼しました…(._.`)
みたゃ さん
ご質問をありがとうございます。
先ずは、質問をさせていただきます。「紫外線(UV)カット効果」を調べるために野菜から何種類かの色素を抽出して実験されたとのことですが、違った色素のカット効果を比較するにはそれぞれが同じ濃度でなければ意味がないと思いますが、この点はどうなっているでしょうか。実験方法についても気になる点があります。それぞれの色素は違った溶媒に溶かされている可能性があり、これらの溶媒やガラスあるいはプラスッチクの容器はUVを強く吸収しますが、その点は(対照との比較を行うことなどによって)考慮に入れられているでしょうか。
一般論としては、色として認識される可視光領域での光の吸収と不可視なUV領域の光の吸収とは必ずしも並行するものではありませんので、単に“色が濃いから”で片づく問題ではないと思います。それぞれの色素についてUV領域の吸収スペクトル(波長に対して吸光度をプロットしたもの)を測定するのが、光学的なUVカット効果を見積もる有効な方法だと思います。ただし、このためには分光光度計と呼ばれる装置が必要となります。なお、補足させていただくと、吸光度(A)とは(A=-logT)の形で透過率(T)と関係する値で、(A= ε×c×L)で示されるように色素の濃度(c)と色素層の厚さ(L)の積(c×L、存在する色素の量)に正比例するものです。なお、(ε)はモル吸収係数と呼ばれ、物質に固有な値(波長によって決まる)です。
ピントが合った回答になっているでしょうか。
ご質問をありがとうございます。
先ずは、質問をさせていただきます。「紫外線(UV)カット効果」を調べるために野菜から何種類かの色素を抽出して実験されたとのことですが、違った色素のカット効果を比較するにはそれぞれが同じ濃度でなければ意味がないと思いますが、この点はどうなっているでしょうか。実験方法についても気になる点があります。それぞれの色素は違った溶媒に溶かされている可能性があり、これらの溶媒やガラスあるいはプラスッチクの容器はUVを強く吸収しますが、その点は(対照との比較を行うことなどによって)考慮に入れられているでしょうか。
一般論としては、色として認識される可視光領域での光の吸収と不可視なUV領域の光の吸収とは必ずしも並行するものではありませんので、単に“色が濃いから”で片づく問題ではないと思います。それぞれの色素についてUV領域の吸収スペクトル(波長に対して吸光度をプロットしたもの)を測定するのが、光学的なUVカット効果を見積もる有効な方法だと思います。ただし、このためには分光光度計と呼ばれる装置が必要となります。なお、補足させていただくと、吸光度(A)とは(A=-logT)の形で透過率(T)と関係する値で、(A= ε×c×L)で示されるように色素の濃度(c)と色素層の厚さ(L)の積(c×L、存在する色素の量)に正比例するものです。なお、(ε)はモル吸収係数と呼ばれ、物質に固有な値(波長によって決まる)です。
ピントが合った回答になっているでしょうか。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2015-07-04
佐藤 公行
回答日:2015-07-04