一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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HPCLを用いたアントシアニンの定量

質問者:   高校生   Syun
登録番号3323   登録日:2015-07-21
HPCLを用いてアントシアニンを定量したいのですが、アントシアニンの抽出液は1%塩酸メタノールを用いて抽出したもので良いのでしょうか。
また、HPCLに使用する溶媒はアセトニトリルと何をもちいれば良いのでしょうか。水でためしてみましたがうまくいきませんでした。
返答よろしくお願いします。
Syun君

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。今回の質問は回答にも指摘されていますように、あまりにも漠然としていますが、一応、アントシアニンの研究に携わっておられる名古屋大学大学院情報科学研究科の吉田久美先生にご回答を頂きましたのでお読み下さい。

【吉田先生からの回答】
ご質問をありがとうございます。
とても返答に困る質問で困惑しております。
以下になぜ困っているかを列記します。
今後のご参考になればと思います。

(1)質問に具体性がないために、的確な返答をすることができません
1)どの植物のアントシアニンを定量したいのか、なんの目的で実験をするのかが不明
アントシアニンといっても構造も化学的性質も多種多様です。研究者は、どんな抽出方法が適当か、定量分析についても、精度をどこまで求めるか、などによって実験方法を変えます。ご質問には一切そういったことが書かれていないため、一般的なことしか返答できません。
しかし、それでは、ご質問の主旨である定量分析の実施は不可能だと思います。
2)HPLCの装置、カラムが不明
どんな装置をお持ちなのか、どんなカラムがついているのかが不明のため、分析条件をお答えすることができません。

(2)水で試したことについて
アントシアニンのHPLC分析については、およそ、1980年代から研究が進み現在、非常にたくさんの文献やテキストが出版されています。
それをご覧になったことはありますか?
また、HPLCをお持ちということですから、そのメーカーの技術レポート、カラム会社の分析例などを参考にされたことはありますか?
少なくとも私自身は、非常に特殊な場合を除いて、アントシアニンを水だけで溶出する例は聞いたことがありません。

(3)まずは、文献調査をされることをお勧めします
決して、ウェブだけの検索を肯定するわけではありませんが、たとえば、インターネットの検索で「アントシアニン」と「HPLC」を入力するだけでも、たくさんの文献が列記されます。
これらを一つでもご覧になったことはありますか?
そこから、できれば、「学術論文」と目されるものを見てください。
あるいは、図書館で司書の方に文献の検索方法を聞いて、探してみてください。

他には、日本語の本として下記のものも参考になるかと思います。

植物色素研究法、植物色素研究会 編
大阪公立大学共同出版会
ISBN4-901409-09-3

植物色素フラボノイド 武田 幸作/齋藤 規夫/岩科 司【編】
文一総合出版
ISBN-10: 4829965215

 吉田 久美(名古屋大学大学院情報科学研究科)

JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2015-07-27
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