一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ホウセンカの花

質問者:   小学生   実生
登録番号3330   登録日:2015-07-31
夏休みの自由研究をしています。ホウセンカを育てて受粉のことをしらべています。花がいくつか咲いたのですが、茎の頂上の部分に雄しべも雌しべもない白い花のようなものが咲いています。これはなんですか。図書館で調べたけれどわかりませんでした。
実生さん

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問は私には難し過ぎてお答え出来なかったので、東京大学の塚谷裕一先生に回答をお願い致しました。以下が塚谷先生からの回答ですが、実生さんが質問して下さったことで、私も大変勉強させて頂きました。

【塚谷先生からの回答】
実生さん
 質問をありがとうございます。良く気付きましたね。ホウセンカは時々、茎のてっぺんにも花を作ってしまうことがあります。ふつうはご存じのように葉の脇から蕾を出して、それが花になるわけですが、これは葉の脇には芽があって、それが蕾に変化するというしくみによっています。茎のてっぺんも芽ですので、うっかりすると蕾になってしまうのですね。
 実は植物には、茎のてっぺんに花を作るタイプと、茎の横(葉の脇)に花を作るタイプとがあります。アサガオは葉の横から花を咲かせるタイプ、ヒマワリはまさに茎のてっぺんが花になっていくタイプですね。でもそれぞれ絶対混じらないわけではなくて、融通が利きます。ヒマワリも、茎のてっぺんで大きな花(実際には花の塊ですが)を咲かせたあと、葉の脇から少し小さな花(正確には花の塊)を咲かせますね。ホウセンカも、普段は茎の横の、葉の脇から花を咲かせる方式を優先していますが、時々茎のてっぺんも花にしてしまうのです。ただし本来の場所ではないところに作ってしまうため、形は不規則になりがちですし、花びらにあたるものもふつうより多くなりがちです。雄しべや雌蘂は、できないこともありますが、ちゃんとできることもあります。ともあれ、うっかり作ってしまった花だというのが、答になります。
 ちなみに昔は、茎のてっぺんに花を咲かせる方式が原始的で、横の、葉の脇から咲かせる方があとからできてきたやり方だと言われたりしましたが、それほど単純ではなさそうです。
 
 塚谷 裕一(東京大学大学院理学系研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2015-08-01
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