質問者:
中学生
かのんぺ
登録番号3348
登録日:2015-08-17
前のQ&Aで見たのですが、生理食塩水で育つのか?という質問の回答に植物が育つのに必要な成分が不足していて、化合物が入っているので不十分だからと書いてありました。みんなのひろば
植物に必要ないものは育成に関係してくるのでしょうか?
ですが、例えば、水道水で育つ植物に重曹水(水道水+重曹)を与えた時、ちゃんと育成に必要な成分は含まれているはずです。重曹が余計に含まれているだけです。
そのような余計な物質が含まれることでなぜどのようにしてどうやって育たなくなるのでしょうか?
お答えいただけると幸いです
かのんぺ さん
ご質問をありがとうございます。こんなことを考えるのが大切だと思います。
例で説明すれば、植物が育つのに必要な栄養物のすべてが十分に培養液(ばいようえき)に含まれていたとしても、「毒物(どくぶつ)」となる余計な物質が含まれている場合には植物は育ちません。植物の生育にとって毒物となる物質にはいろいろな種類があり、また、これらの物質が植物の生育をおさえるやり方にもいろいろな仕組みがありますが、「除草剤(じょそうざい)」として雑草を枯らすために使われる物質は植物にとっての毒物の一例です。
植物が育つには、「水」・「空気」・「光」に加えて、「肥料(無機栄養物)」が絶対に必要であることを学びましたね(温度条件も重要ですね)。水道水には一般には栄養物が十分には含まれていないので、水道水だけでは植物は育たないと思いますが、栄養物を含んでいる土壌が用いられているのであれば問題はありません。一方、重層(炭酸水素ナトリウム)は、それ自身が植物の栄養物にもになりますが、重層が溶けることによって培養液の化学的な性質が大きく変化し(専門的な説明になりますが、培養液のpH値の上昇、水素イオン濃度の低下がおこる)、この変化が植物にとって他の栄養物の利用を難しくさせるため、栄養物を十分に加えてあったとしても植物が育ちにくくなることがあります。“他の栄養物の利用を難しくさせる”についてはくわしい説明が必要かと思いますが、今日はここまでにしておきます。
この機会に、植物の生育に必要な元素の種類や、植物を育てるために培養液に加える栄養物(化合物)についての知識を整理し、また、水素イオン濃度が水に溶けた物質に与える影響などについて調べて見られることをおすすめします。
ご質問をありがとうございます。こんなことを考えるのが大切だと思います。
例で説明すれば、植物が育つのに必要な栄養物のすべてが十分に培養液(ばいようえき)に含まれていたとしても、「毒物(どくぶつ)」となる余計な物質が含まれている場合には植物は育ちません。植物の生育にとって毒物となる物質にはいろいろな種類があり、また、これらの物質が植物の生育をおさえるやり方にもいろいろな仕組みがありますが、「除草剤(じょそうざい)」として雑草を枯らすために使われる物質は植物にとっての毒物の一例です。
植物が育つには、「水」・「空気」・「光」に加えて、「肥料(無機栄養物)」が絶対に必要であることを学びましたね(温度条件も重要ですね)。水道水には一般には栄養物が十分には含まれていないので、水道水だけでは植物は育たないと思いますが、栄養物を含んでいる土壌が用いられているのであれば問題はありません。一方、重層(炭酸水素ナトリウム)は、それ自身が植物の栄養物にもになりますが、重層が溶けることによって培養液の化学的な性質が大きく変化し(専門的な説明になりますが、培養液のpH値の上昇、水素イオン濃度の低下がおこる)、この変化が植物にとって他の栄養物の利用を難しくさせるため、栄養物を十分に加えてあったとしても植物が育ちにくくなることがあります。“他の栄養物の利用を難しくさせる”についてはくわしい説明が必要かと思いますが、今日はここまでにしておきます。
この機会に、植物の生育に必要な元素の種類や、植物を育てるために培養液に加える栄養物(化合物)についての知識を整理し、また、水素イオン濃度が水に溶けた物質に与える影響などについて調べて見られることをおすすめします。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2015-08-18
佐藤 公行
回答日:2015-08-18