一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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夜間、葉肉細胞が呼吸で利用する酸素はどこから吸収するか

質問者:   教員   kiyokiyo
登録番号3365   登録日:2015-09-09
植物の気孔は夜間は閉じていると理解しています。では、そのときに葉肉細胞が呼吸で利用する酸素はどこから吸収しているのでしょうか。気孔は実は開いている、表皮全体、茎の皮目などいろいろ可能性が考えられますが、実際はどうなのでしょうか。
Kiyokiyo 様

本コーナーをご利用下さり有り難うございます。
この質問については植物の呼吸について研究しておられる野口先生(東京大学)が回答して下さいましたので参考になさって下さい。「植物の気孔は夜間に閉じている」と書かれることがありますが、実際の気孔の開閉はいろいろな環境因子に左右される複雑な過程です。また、酸素に関しては、大気中に存在する濃度が高いので、植物体内への浸透は比較的容易なことではないと思われます。


【野口先生からの回答】
夜間、呼吸で利用する酸素の吸収についてお答えさせていただきます。
気孔が閉じていても表皮細胞から酸素を吸収できます。夜間、完全に気孔が閉じない植物もあります。そのような場合は、表皮細胞を通るよりも気孔を通る酸素の移動速度の方が速いので、主に気孔を通った酸素が消費されると考えられます。
以上でよろしいでしょうか?他に疑問点がございましたら、遠慮なくお知らせください。

 野口 航(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2015-09-10
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