一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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コマツナギの花の大きさ

質問者:   一般   まい
登録番号3384   登録日:2015-11-02
マメ科のコマツナギとその仲間を調べているのですが、図鑑に書かれている花の長さがというのが、どの部分の長さなのか分からず、教えて頂けると有難いです。

花の開いている、旗弁の先端から竜骨弁の下まで、垂直方向の長さなのか、竜骨弁の長さにあたる水平方向の長さなのか、それとも全然違うのか、いろいろな図鑑を見たのですが分かりませんでした。

どうぞよろしくお願いします。
まい様

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答をマメ科植物がご専門の東北大学名誉教授の大橋広好先生にお願い致しましたところ、以下の様な詳しいご回答をお寄せ下さいました。参考になると思います。

【大橋先生からのご回答】 
コマツナギとその仲間の花には基部に柄(花柄という)が付いています.花柄は花の構成員ではないので,花は花柄の先端よりも先の部分を指します。花の基部から竜骨弁あるいは翼弁のどちらか長い方の花弁の先端まで,花の側面を花柄の延長方向に測って「花の長さ」としています(質問者の水平方向とするのは花柄の延長方向にある花の側面と思います)。旗弁が竜骨弁・翼弁のどちらよりも長い種もあり,その場合には旗弁の先が反り返る前に基部からその先端までを測り,それを「花の長さ」とします。いずれの場合にも,花柄の延長方向に,花の側面の基部から先端まで測った長さを「花の長さ」とします。質問者の挙げている2番目の場合に当たります。
コマツナギとその仲間の花は受粉すると破裂して,花弁が基部から開いしまい,雄蕊・雌蕊が竜骨弁から飛び出してしまいます。この状態では旗弁の先端から竜骨弁の先端まで,花柄に対して垂直方向に,花の長さと同じくらいの距離のあることもあり得ます。質問者はこのような状態の花のサイズを「花の長さ」ともお考えのようですが,この長さは破裂の状態で変化するので花の大きさの基準となりません。

 大橋 広好(東北大学名誉教授)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2015-11-04
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