一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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陰生植物を増収する方法はありますか?

質問者:   会社員   たか
登録番号3397   登録日:2015-11-23
陰生植物を栽培していますが、どうしても成長が遅いです。
調べてみると、例えば朝鮮人参では、慣行栽培よりも強い光を与えることで生育速度が高まるとの研究がありました。
しかし、枯れるのも早まるようです。
また、水や光ストレスを与えたとき、陰生植物ではそもそもPSⅡの回復速度が陽生植物よりも遅いという研究もありました。


光によるストレスに強くするために、また、光以外のストレスを無くすために、肥料や水をたっぷり与え、適切な温度で栽培すれば、強光下で長生きさせることができ、増収できるのかな?と考えましたが、なかなか研究例が見つかりません。

陰性植物を早く・大きく育てることはできないのでしょうか。ご回答よろしくお願いいたします。
たか様

ご質問を有り難うございます。
教科書的なことを書かせていただくと、先ずは光の強さが生育を限定する要因とならない程度に十分に強くすること、次いで、その条件で生育を限定している他の要因、例えば二酸化炭素の濃度・温度・無機肥料や水分供給などを適当な範囲で増加させることが増収につながる可能性があります。強すぎる光は植物の生育にとって有害で、陰生植物は一般に光ストレスを受けやすいことが知られています。しかし、植物の種類によっては生育段階で光に対する感受性が大幅に変化する場合もあるようですので、そのような場合には、光の強さを徐々に高めて行くことで生育速度を増して行くことが可能かも知れません。

植物体が量的に多くなることだけが目的とは思われませんので、個別の植物(作物)については試行錯誤で目的に合った栽培条件を探り当てる必要があるのではないでしょうか。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2015-11-24
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