一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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クロロフィルaと窒素の関係について

質問者:   大学生   ssd
登録番号3406   登録日:2015-12-18
 光合成と栄養塩に関しての質問です。
 私は今、海洋における植物プランクトンの光合成について研究しております。その1つのパラメータとして同化指数というものがあります。同化指数は炭素固定量をクロロフィルa濃度で割ったもので、クロロフィルa、1mgあたりの炭素固定量を表します。この同化指数は光合成の活性を示し、光環境や栄養塩と関係があると言われていますが、栄養塩との関係性がいまいち理解できません。窒素のような栄養塩がクロロフィルa単体の光合成の活性に具体的にはどのように影響するのでしょうか。回答の程、よろしくお願いします。
ssd 様

このコーナーをご利用下さり有り難うございます。
光合成活性を比較するための指数(Assimilation Index)として「光合成装置の存在量(その目安としてのクロロフィルa量)当たりの光合成速度(一定時間当たりの炭素固定量)」を用いられているものと理解します(要は、「光合成装置の反応効率」ですね)。
クロロフィルaの量が完全に機能状態にある光合成装置の存在量を代表しているかどうかについては問題が残ると思いますが、その点はここでは不問とします。
光合成速度が炭素固定速度として見積もられていますが、実際の同化過程では(量的には炭素が中心になりますが)窒素や硫黄その他の元素も利用(同化)されますので、局面によっては窒素などの供給が光合成速度に影響を与える場合があります。また、一般的に、「同化指数」には反応系を構成する酵素などの成分の存在量や機能状態が反映されますので、これらの過程に関係する諸々の物質の供給は場合によっては重大事だと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤  公行
回答日:2015-12-19
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