一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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シャインマスカットで行われるストレプトマイシンによる無核化

質問者:   会社員   you105
登録番号3413   登録日:2015-12-27
最近大変話題のシャインマスカットですが、これの無核化にあたり、これまでピオーネなどで行ってきたジベレリン処理の前に、ストレプトマイシンを処理します。
満開2週間前を適期として浸漬するのですが、どのような作用で種がなくなるかがわかりません。
消費者からのの質問も多いのですが、ネット等では調べられませんでした。
是非教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
you105 さま

みんなのひろばへのご質問有り難うございました。頂いたご質問の回答を広島大学の桜井直樹先生にお願いいたしました。桜井先生は広島県立総合技術研究所 農業技術センター果樹研究部 研究員の須川 瞬氏に回答をお願いして下さり、須川先生から以下の回答が寄せられました。研究論文が紹介されていますので、アクセスしてみて下さい。

【須川先生からのご回答】
ブドウにおいては,ストレプトマイシン処理により,胚珠の発育が阻害されることが主原因とされています。
ジベレリンとは作用機構が若干異なっておりますが,作用機構については十分に解明されていないのが現状です。
詳細なことは書籍では,書かれているものはみあたらないので,以下に研究論文を掲載しています。

農林水産省Agriknowledgeのサイトより文献等が閲覧できます。

無核化作用の発見から作用の解明に関して(広島県1985年)
余談ですが,2年前に著者の小笠原氏はこのことで園芸学会で功労賞を受賞されています。
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010322335.pdf
ブドウ品種‘藤稔’(ジベレリンのみでは種無し化が難しい品種)での作用機構に関する試験(東京農大2008年)
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010762302.pdf
ほかにも論文はありますが,品種による種無し化率や処理適期などです。

 須川 瞬(広島県立総合技術研究所農業技術センター)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2016-01-06
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