一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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無胚乳種子の発芽とホルモンの関係

質問者:   高校生   大根
登録番号3424   登録日:2016-01-30
教科書に有胚乳種子の発芽の時、植物ホルモンの濃度によって発芽が促進されると書かれているのですが、有胚乳種子でもホルモンによって同じような影響をうけるのでしょうか?
大根様
 
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。高校生だという事ですので、当然学校で高校生物の教科書を使っておられる事と思います。「教科書に有胚乳種子の発芽の時、植物ホルモンの濃度によって発芽が促進されると書かれている」とのことですが。本当にその通りに記述されているのですか。どこの教科書でしょうか。
さっぱり要領をえない記述です。また、質問内容に書いてある「有胚乳種子でも」は「無胚乳種子でも」のことですね。
種子には大きく分けて、有胚乳種子と無胚乳種子があります。胚乳という組織は栄養分(主にデンプン、タンパク質、脂肪)を貯蔵しており、種子が発芽して芽生えになって十分な光合成活動で栄養供給が出来るまでの間、その貯蔵栄養分を分解して芽生えの成長のために使うです。しかし、植物によっては胚乳組織が退化して、栄養分は代わりに、子葉に蓄えられものがあります。中には胚軸に蓄えられる種子もあります。それぞれどんな種類の植物があるか、自分で調べて下さい。
植物ホルモン(いく種類もあります)が発芽を促進する場合は、有胚・無胚は関係ありません。また、ホルモンの濃度にはそれぞれ至適濃度があるのが普通です。
低過ぎると効果はみられないし、高過ぎると、かえって阻害効果が出る事もあります。普通の高校生物学の教科書ならば、これらの事は分かり易く書いてあると思いますが。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見  允行
回答日:2016-01-31