一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物ホルモンのオーキシンについて

質問者:   高校生   ひっさー
登録番号3447   登録日:2016-03-20
重力屈性と光屈性ではどちらがより植物に与える影響が強いんでしょうか?
詳しく教えて頂けると幸いです。
ひっさー君

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。とてもユニークな質問ですね。だが、答えられません。質問の意味が分からないのです。多分屈性現象については学校で習って、理解されていると思いますが、屈性は植物体の軸性器官(茎と根)が外部からの刺激に反応して,その伸長方向を刺激源に向かって正又は負に変更する現象です。普通地上部は正の光屈性と負の重力屈性を示し、根は正の重力屈性と負の光屈性(光に曝した場合)を示します.ただし,根における負の光屈性は見られない場合もあります(登録番号1991を参照して下さい)。
「植物に与える影響」とは何を想定されているのでしょうか。仮に植物の姿勢(形状)という観点からみると、光屈性がおきると、植物は真っ直ぐ伸びることができません。しかし、地中に在る根は影響を受けません。他方植物体を横にしてやると、植物の軸にかかる重力の方向は軸と直角方向になりますから、根は重力屈性を示して直角に屈曲伸長するばかりでなく、地上部は負の屈曲反応を示して先端は上方へ直角に立ち上がって行くことになります。こういう形状からすると、重力屈性は地上部と根と両方に成長方向の変化をもたらすので、その意味で影響が大きいと云えないこともありません。しかし,こういう問いかけは、「手首を動かすのと、足首を動かすのとどちらが身体に与える影響が強いか」と問うのに似ています。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見  允行
回答日:2016-03-24
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