一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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気孔の開閉について

質問者:   高校生   かが
登録番号3449   登録日:2016-03-25
気孔の開閉はどのように行われているのか気になり調べてみたところ、
気孔の開口で、孔辺細胞へ水が取り込まれる前の段階に、チャネルによる細胞内へのK+の流入があることを知りました。
なぜ細胞内のK+濃度は高いのにもかかわらずK+は細胞内に取り込まれるのでしょうか。
お願いします。
かが さん

質問コーナーへようこそ。歓迎致します。ご質問への詳しい回答は「みんなの広場」の「解説・エッセー」をクリックし、「気孔の働きと開閉の仕組み」という木下俊則先生の解説を読んで下さい。質問への回答の部分も詳しく説明されています。ここでは簡単にまとめておきます。
気孔の開口には青色光の照射が必要で、青い光は孔辺細胞の細胞膜にあるH+(プロトン、水素イオン)ATPase(アーゼ)という酵素を活性化します。この酵素は孔辺細胞内のプロトンを細胞外へ排出するポンプとして働きます。この過程はエネルギー(ATP)が使われます。細胞膜は定常状態では膜の電位は内側がマイナス(-)、外側がプラス(+)に分極していますが、プロトンが細胞外へ排出されると膜の外側のプラス電位が大きくなり、いわゆる過電極と現象が起きます。そのとき、膜にあるカリウム・チャンネルというカリウムを通すトンネルの口が開き、外にあるカリウムイオンがこのチャンネルを通って、孔辺細胞の中に入るのです。
結果的にはカリウムイオンはエネルギー(ATP)を使って中に入ったことになります。閉口時には逆にカリウムイオンが外に出ますが、そのメカニズムは流入とはまた別のメカニズムで行われます。このことについても上記の解説を読んで下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見  允行
回答日:2016-03-27
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