一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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バイモの雄花?

質問者:   一般   ヒカルゲンジ
登録番号3452   登録日:2016-03-29
クロユリは両性花、雄花があり性転換することが知られていますが、同じバイモ属のバイモにも両性花と雄花があるのでしょうか?あるところで退化した雌しべのようなものを持つ雄花?を見つけました。色々調べましたがバイモの花の雌雄についての情報がありませんのでお教え願います。
ヒカルゲンジさん:

「みんなの広場」のご利用ありがとうございます。
バイモの鱗茎は漢方で用いられますが日本には中国から渡来したもののようです。花は観賞に堪えるもので、近年は器官培養を含め繁殖法が容易になったためか観賞用に園芸店などで市販されているようです。確かに、同じ属のクロユリでは鱗茎の大きさによって雄花、中性花が咲き分けられるとの研究結果が報告されています。しかしバイモについては、有用植物ということでかなりの研究が行われているにもかかわらず雄花(的な花)あるいは雌花(的な花)が生態条件で咲き分けられる観察例は報告されていません。ご質問にある「退化した雌しべのようなものを持つ雄花?」がどの程度の頻度で現れているのかわかりませんが仮に何らかの生態条件でそうなるのであれば頻度はかなり高いはずです。たまたま1つ、2つ程度であるならば別の要因を考える必要があります。花器官の形成は複雑な遺伝子群の組み合わせ(相互作用)に支配されています。発生の過程で雌しべになるはずの原器組織に何らかの傷害(物理的、生物的)を受ければ完全な雌しべは形成されないことがあり得ます。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2016-04-04
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