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たんぽぽの茎の周りについている白い液体は何?

質問者:   会社員   kyohei
登録番号3462   登録日:2016-04-22
たんぽぽの中身は空洞になっていますが、折ると周りに白い液体がついています。
あの成分は何なのでしょうか?
乳液と聞いたことはありますが、具体的な成分を教えて下さい。
各成分が何%入っているのかも気になります。
また内部が空洞なのになぜ白い液体が周りだけについているかも知りたいです。
Kyohei 様

ご質問、どうもありがとうございます。ラテックス(タンポポの白い液体もラテックス)の生合成の研究をご専門とされている東北大学の高橋征司先生にご回答いただきました。

【高橋先生のご回答】
 タンポポの茎を折ると出てくる白い液体は「ラテックス」と呼ばれるものです。ラテックスとは、「乳管」とよばれる管状に特殊に分化した細胞の原形質に相当する成分になります。すなわち、茎を折ることで管状の乳管細胞が破壊され、その中身である原形質が流出しているのを観察していることになります。
 タンポポのラテックスが白いのは、ラテックス中に天然ゴム成分が含まれているからです。天然ゴムは、分子量が100万以上にもなる疎水性(親油性)のポリマー(ポリイソプレン)ですが、それが脂質一重膜で包み込まれた「ゴム粒子」となることで細胞質ゾル内において比較的安定に分散しているため、タンポポのラテックスは乳液となっています。ラテックス=天然ゴム、と誤解されている方が多いのですが、上述の通り、乳管細胞の原形質に相当するのがラテックスですので、天然ゴムを含まないラテックスも当然存在します。一般的に、ラテックス内にはアルカロイド類などの生体防御にかかわる多様な二次代謝産物が蓄積されており、天然ゴムも生体防御に寄与していることが予想されています。
 天然ゴム成分が特に多いことが知られているロシアタンポポのラテックス1 ml中には、乾燥重量で150 mg程度の天然ゴムが含まれていると報告されています。また、茎よりも根に天然ゴムを多く含みますので、タンポポの根についても乳液状のラテックスの滲出を観察されてみてはいかがでしょうか。
 タンポポの花茎は中空の構造ですが、ラテックスは細胞の中に含まれる成分ですので、中空の花茎の内側ではなく、組織の切断面(周り)にのみにじみ出てくることになります(登録番号1319「たんぽぽの茎の穴?」なども参照してください)。

 高橋 征司(東北大学大学院工学研究科)
JSPP広報委員長
出村 拓
回答日:2016-05-13
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