一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ドライフラワーの変色

質問者:   一般   ねぎちゃん
登録番号3508   登録日:2016-06-17
ドライフラワーを作りましたが、どうして変色するか疑問に感じました。
花を乾燥させるときに、室内に吊るして作る場合よりシリカゲルやドライヤーを使用して短い期間で乾燥させた場合のほうが、色が残りやすいのはどうしてですか?
 花の発色には、水分量にどのように関係があるのでしょうか?化学的に考えたときにどうしてかしりたいです。よろしくお願いします。
ねぎちゃん

本コーナーをご利用くださりありがとうございます。

ドライフラワー作りにおける色の保存については、本コーナーのQ&A(登録番号1102)に記載がありますので、参考になさって下さい。

生花がドライフラワーになって行く過程は、生きた細胞が死んで行くプロセスで、この過程では液胞などの細胞内区画が破壊され、死に至る無秩序な(生)化学反応が進行することになります。色素分子の発色はその環境(色素分子を取りまく他の分子やイオンの種類や濃度)に大きくに依存しますので、乾燥に伴って徐々にその環境が変化し、また、さまざまな化学反応によって色素分子が破壊されて行くことによって花の色は変化して行くものと考えられます。これらの反応は主に破壊される細胞の水溶液中で進行します。したがって、色素の変化を抑えるには、一般論としては、急激に水分を除去して色素をなるべく元のままで保つような処理が望ましいことになります。シリカゲルを用いたりドライイヤーを用いて急激に乾燥させるのは、そのことを意図したものであると言えます。

なお、乾燥の過程では、水分除去の速度以外に、光の強さ・温度・酸素の濃度などへの配慮も必要かと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2016-06-18
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