月橘　様

ご質問、ありがとうございます。
回答がたいへん遅くなり申し訳ありませんでした。
樹木の生理学がご専門の 宝月岱造先生にお願いして回答を頂きました。

【宝月先生のご回答】
確かに長寿や高樹高の記録には、裸子植物である針葉樹が頻繁に出てきますね。樹木の寿命や樹高については、興味をもつ研究者も多いようで古くから研究が報告されていますが、お尋ねの「長寿や高樹高の記録が裸子植物に多いことの原因」については、はっきりしたことは分かっていないようです。

実際の森林で樹木の寿命や樹高の分布を測定した例を見ると、針葉樹か広葉樹かを問わず樹種や環境条件によって様々で、全体として両者の差はそれほど明確ではありません。最高寿命にしても最高樹高にしても、針葉樹か広葉樹かの差よりも樹種の個性による差の方が大きいようです。つまり、寿命が数千年を超える屋久島の縄文杉は、針葉樹だからというよりも屋久杉だから長寿なのであり、100メートルを超えるカリフォルニアのレッドウッドは、針葉樹だからというよりもレッドウッドだから背が高いと考えるのが良いでしょう。

　宝月　岱造（東京大学名誉教授）