一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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水の放出と無機塩類

質問者:   自営業   自営業 A・S
登録番号3536   登録日:2016-07-18
登録番号3509の「吸水量と蒸散量」を拝見し、質問させていただきます。
「根から吸収した水の約99%は導管を通り抜けて大気に放出される」とありますが、この時、根から水と一緒に取り込んだ無機イオンは全て細胞内に留まることがができるのでしょうか?
水と一緒に放出されるとしたら、何%くらいの割合で大気に放出されるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
自営業 A・S 様

ご質問ありがとうございます。
 根から吸収された無機イオンは水に溶けた水溶液として地上部に運ばれます。気孔あるいは表層のクチクラ層を通して蒸散がおきる時は、水は気化して水蒸気として放出されます。したがって、水に溶けていた無機イオンは、ほぼすべて植物体に残ると考えられます。
 少し違いますが、容器に入れた食塩水を放置したり、あるいは加熱したりして、水が気化して蒸発しても食塩は容器に残ることと対比してみるとわかり易いのではないでしょうか?
 なお、根から運ばれてきた無機イオンが細胞内で代謝されて作られた物質の中には、分泌されて細胞壁の構成成分になる場合もあります。細胞壁を含めて細胞内といえるか微妙ですので植物体としました。
JSPPサイエンスアドバイザー
庄野 邦彦
回答日:2017-02-02
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