一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アサガオの種の形について

質問者:   小学生   さや
登録番号3543   登録日:2016-07-24
去年アサガオを育てたところ、423個の種が取れました。種の形を調べると、①まん丸の形が15個、②まん丸を半分に切ったような形が95個、③半分よりももっと切ったような形が313個ありました。

今年、①②③の形の種を6個ずつ植えたところ、①からは3つ、②からは1つの芽が出て、③からは1つも芽が出ませんでした。種をまくときに、種を削ったり、水につけたりはしていません。

種の形が違うと、何で芽が出る数がちがってくるのでしょうか?
さや さん

みんなのひろば に質問を下さりありがとうございます。
小学生にもわかるようにと思って回答を書きましたが、わかりにくいところもあるかもしれません。そのようなことがありましたら、えんりょなく聞いて下さい。

 アサガオのたねに水をあたえ、芽がでるのに適した温度におくと、数日のうちに根を出し、ふたば(子葉:しよう)が開いてきます。水をあたえて一晩おいて、たねがふくらんできた時にまわりの皮(種皮:しゅひ)を除いて注意深く調べてみると、たねの中では、すでに子葉がおりたたまれて入っていることを見ることができます。このことから、たねの中では、芽生えになるもと(胚:はい)は子葉ができるまで成長した段階で、水分を減らして乾燥し、成長が一時停止した状態になっていることがわかります。
 たねの形がちがうと芽のでる数がちがうのは、たねのかたちが半分のものやそれよりさらに小さいものでは、胚の成長が、できなかったり、とちゅうで止まったりしたからだと思われます。たねの大きさが半分のものやそれより小さいものは、乾燥状態に入ったとき、成長した胚が種子の中につまっていませんから、水分がぬけたときにちじんだためだろうと思われます。
 芽がでたたねがとても少なかったのは、胚が成長する時期に成長をさまたげる状況(例えば低温とか高温とか)におかれたためかもしれません。あるいは、使った種子によることも考えられます。売られているアサガオのたねの多くは2つの種類のかけ合わせでできたたねです(ふくろにF1種子と書いてあるものもあります)。かけ合わせの種類の組み合わせの中には、胚が成長できなくなったり、とちゅうでとまったりする組み合わせがあります。
 それにしても、ずいぶんたくさんのたねをとりましたね。とったたねを形で分けて数をかぞえただけでなく、芽を出すかどうかまでしらべられたことに感心しました。
JSPPサイエンスアドバイザー
庄野 邦彦
回答日:2017-02-08
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