一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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維管束の末端は 導管と篩管がつながっている?

質問者:   一般   つがね ようぞう
登録番号3547   登録日:2016-07-26
葉の葉脈は細いものは解放血管のように葉の中で止まっていますが、比較的太い葉脈は別の葉脈とつながっています。
全部の葉を観察できていませんが双子葉の多くで。
維管束が葉脈までつながっているのならばどこかで導管が
篩管に代わっているのでしょうか?
つがね ようぞう さま

ご質問ありがとうございます。

維管束は、道管を含む木部組織と師管を含む師部組織、木部組織と師部組織の間にあるそれらを作り出すための形成層、の3つの部分から構成されています。また、道管は死んだ細胞がつながったもので、水やミネラルの通り道として働きます。一方で、師管は生きた細胞がつながったもので、光合成によって作った糖の通り道です。このように大きく性質が異なる細胞ですので、道管と師管が直接的につながったり、代わってしまうことはありません。葉の末端では道管と師管が隣り合わせになることはありますが、直接的につながっているわけではありません。そこでは、道管からは水やミネラルが周りの細胞に供給されて、師管では糖を取り込んで他の器官や根に運ばれていきます。ちなみに、道管ならば末端じゃなくても水やミネラルが周りの細胞に供給されますし、師管ならば葉などの光合成をする器官にあれば、どれでも糖の取り込みを行っている、と考えてかまいません。
なお、最近の生物学では、導管ではなく「道管」、篩管ではなく「師管」を使っています。
JSPP広報委員長
出村 拓
回答日:2017-02-07
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