一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

ブロッコリースプラウトが枯れた理由

質問者:   中学生   球根
登録番号3552   登録日:2016-07-30
植物を枯らすものを調べるために、ブロッコリースプラウトを育てました。卵パックにキッチンペーパーを重ね、種をまきました。全てを水道水のみで5日育ててから、酢、食塩、重曹(それぞれ2%・3%・4%)を与えました。水道水を与えるものも1つつくりました。
3日後、酢:茎が細くなり完全に枯れる。塩:全体的にしおれる。重曹:茎が緑になって枯れる。水道水:変化なしでした。酢と塩は、ほかの質問に枯れた理由があったのですが、重曹でなぜこのような結果になったのか分かりません。
球根 さん

ご質問をありがとうございます。
植物を枯らすもの(物質)を見つけようとしているのですか。
水道水の場合は生長を続けた(変化なし)が、酢・食塩・重曹を与えた場合にはそれぞれに違った異変があったようですね。そして、重曹を与えた場合に「茎が緑になって枯れた」理由を知りたいとのことですね。

枯れる仕組みと生きる仕組みは関連が深いので、生きる仕組みの側から考えることにします。植物が生きるためには、栄養素やエネルギーが獲得できて細胞が正常に機能することが必要です。したがって、与えた物質が細胞の機能のどの過程に影響を与えたかなどと考えることになります。緑の色は葉緑素(クロロフィル)の存在を示しているように見えるので、枯れる最後までエネルギーの獲得に関係する葉緑体の機能は残っていたように見受けられます。

一般的に言って、植物が生きてゆくためには、温度や光の強さを含め、いろいろな条件が適当でなければなりません。中学校の理科では「酸とアルカリ」について学ぶと思いますが、生育に使う液の酸とアルカリの程度も適当でなければなりません。重曹の影響はそのようなことに関係しているかも知れませんが、生きる仕組みとどのように関連するかについては簡単には答えられません。
この問題に関連する質問が本コーナーにありますので、ご参考にお読み下さい(登録番号3348)。

なお、与える物質を2%・3%・4%と変えるのは、濃さが近すぎると思います。

JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2017-02-07