一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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きゃべつが丸まる仕組みについて

質問者:   教員   にゃお
登録番号3588   登録日:2016-08-30
キャベツが丸まる仕組みに興味を持ちました。

①茎が短いため、新しく生えたキャベツの葉は立ち上がる。

②外側の葉により光があたる。

③オーキシンが外側に多く分布し、外側の組織がより伸長するため、丸まる。


と、いうところまで調べられました。しかし、②から③への流れが分かりません。

オーキシンは、光が当たらない側に移動する性質があると考えられていますよね。

それでは、オーキシンは、光が当たらない『葉の内側』に移動し、『葉の内側』の生長を促すのではないでしょうか。

にゃお様

 みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。もしにゃおさんがスーパーで買って来たキャベツを眺めて考えているのなら、一度畑のキャベツをご覧になることをお薦めします。畑ではスーパーで売っている様なキャベツを真ん中にそれを取り囲むように仰向けに寝そべっているような葉が並んでいます。これらの寝そべっている葉が光合成で稼いだもので玉は大きくなるのです。もしこの寝そべっている葉を取り除くと玉の外側の葉が開いて寝そべるようになり光合成を受け持つことになります。この寝そべるのは葉の内側(上側)が伸びることによっておきます。寝そべっている葉を取り除いても玉に光が当たらないようにしておくと新しく葉は寝そべって来ません。寝そべるためには光が必要です。葉の内側(上側)の生長は植物ホルモンのエチレンによって起き、エチレンはオーキシンにより生成しますので、寝そべるためにはオーキシンが働いているようですが、巻く時にオーキシンが働いているかどうかはわかりません。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2017-03-06