質問者:
中学生
G.pumpkin
登録番号3611
登録日:2016-10-01
自分は、ジャンボかぼちゃを育てています。なので、どのようにしてジャンボかぼちゃを大きくしようか考えていたとき、酸成長説というものを知りました。酸成長について
そこで、土壌のPHと植物内のPHとの関係は一体どのようになっているのですか?もし関係があったのなら、それによって植物の成長に関係しますか?
G. pumpkin 様
ご質問をありがとうございます。
いろいろな植物で細胞内pHが測定されていますが、多くは細胞質で7.5前後、液胞で4.5~5.5となっています。酵素反応などいろいろな生命活動が行われる細胞質で、pHを含めて細胞内環境が一定に維持されることは重要です。細胞質には、それ自身がpHの変動を緩和する能力〔緩衝能力)や細胞膜や液胞膜を通しての水素イオンの積極的排出あるいは取り込みなどによってpHを一定に保っています。ですから、土壌のpHイコール細胞質のpHという関係にはありません。
酸成長説を学ばれて、土壌のpHを酸性にすれば、成長がよくなるのではと考えられたかもしれませんが、pHを低くすることでいろいろな影響が出てきます。酸成長の見られるpH4では、植物の生育に必要な元素のうち、亜鉛とマンガン以外の元素(窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、ホウ素、銅、モリブデン)の利用効率が極端に低くなります。pHが低くなると、地球の地殻に大量に存在する不溶性のアルミニウムが溶け出して植物の成長を阻害することも知られています。また、pHが中性近くではイオンとなって水に溶けていた酸性物質は細胞膜を通りにくいのですが、酸性のpHでは分子の形になって膜を通り易くなり、多量の酸性物質によって細胞質のpHを維持できなくなることも考えられます。
ジャンボかぼちゃの栽培で超ジャンボかぼちゃを作りたいという試み、楽しみですね。栽培条件をいろいろ試して、ぜひ実現して下さい。
なお、酸成長に関しては[みんなのひろば]植物Q&Aの登録番号1872, 細胞内pHに関しては、登録番号0365, 2501, 3410, 3577などが参考になると思います。ご覧になって下さい。
ご質問をありがとうございます。
いろいろな植物で細胞内pHが測定されていますが、多くは細胞質で7.5前後、液胞で4.5~5.5となっています。酵素反応などいろいろな生命活動が行われる細胞質で、pHを含めて細胞内環境が一定に維持されることは重要です。細胞質には、それ自身がpHの変動を緩和する能力〔緩衝能力)や細胞膜や液胞膜を通しての水素イオンの積極的排出あるいは取り込みなどによってpHを一定に保っています。ですから、土壌のpHイコール細胞質のpHという関係にはありません。
酸成長説を学ばれて、土壌のpHを酸性にすれば、成長がよくなるのではと考えられたかもしれませんが、pHを低くすることでいろいろな影響が出てきます。酸成長の見られるpH4では、植物の生育に必要な元素のうち、亜鉛とマンガン以外の元素(窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、ホウ素、銅、モリブデン)の利用効率が極端に低くなります。pHが低くなると、地球の地殻に大量に存在する不溶性のアルミニウムが溶け出して植物の成長を阻害することも知られています。また、pHが中性近くではイオンとなって水に溶けていた酸性物質は細胞膜を通りにくいのですが、酸性のpHでは分子の形になって膜を通り易くなり、多量の酸性物質によって細胞質のpHを維持できなくなることも考えられます。
ジャンボかぼちゃの栽培で超ジャンボかぼちゃを作りたいという試み、楽しみですね。栽培条件をいろいろ試して、ぜひ実現して下さい。
なお、酸成長に関しては[みんなのひろば]植物Q&Aの登録番号1872, 細胞内pHに関しては、登録番号0365, 2501, 3410, 3577などが参考になると思います。ご覧になって下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
庄野 邦彦
回答日:2017-03-08
庄野 邦彦
回答日:2017-03-08