一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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マグネシウムとリンの関係について

質問者:   自営業   ほんとま
登録番号3635   登録日:2016-11-15
MgはPの吸収を助けたり、体内での移動を円滑にするといわれていますが、具体的にはどのように吸収や移動を助けているのでしょうか?

Mg1つがP5つを運んでいるという話を聞いたのですが、本当でしょうか?また、本当であればどういうことなのか教えて下さい。

宜しくお願いします。
ほんとま様

ご質問をありがとうございます。たいへん遅くなりましたが、回答をお送り致します。回答は植物栄養学がご専門の藤原 徹先生にお願い致しました。

【藤原先生からのご回答】
Mgは植物の必須元素で、Mgを十分与えることにより生育は良くなり光合成は促進されるので、それに伴ってPの吸収も高まることが考えられます。また、Mgは二荷の陽イオンとして吸収されますので、Mgが吸収されることに伴って、電荷を中和するために陰イオンの吸収が必要になり、条件によってはPが吸収されることにつながる可能性はあります。MgとPの根の細胞への細胞膜を横切る吸収や移動は異なるトランスポーターによって起こりますのでこの段階でMgがPに影響を及ぼす可能性は低いと思います。このことは二つ目の質問にも関連することで、Mg1つがP5つを運ぶということはないと思います。


 藤原 徹 (東京大学大学院農学生命科学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
庄野 邦彦
回答日:2017-03-27