一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物の食害前後による変化

質問者:   高校生   OWL
登録番号3663   登録日:2017-01-03
近年、鹿やイノシシなどの獣害が増加していると聞きました。
そこで、獣に食べられる前と、食べられた後で植物に変化はあるのだろうかと疑問を持ちました。もし、食べられた量がおおいなら、枯れてしまい色が変化するのは推測できるのですが、他に植物の身体に変化は出てくるのでしょうか。
OWLさん、

質問コーナーヘようこそ。歓迎いたします。植物は様々な化学的、物理的環境要因の影響を受けているばかりでなく、動物、昆虫、微生物などからも攻撃を受けます。だから、植物はこれらの外部刺激に対応する様々な手段を備えています。植物にとって負の影響、いわゆる虫害、病害、などに対しては、植物はこれらの生物が嫌う物質や、やっつける物質を合成して、あるいは沢山作ったりして対抗します。対抗しきれなくなると枯れてしまいます。(登録番号023, 0458, 0719, 1156, 1509 などを参照してください。)
これらの物質は植物自体にとっては有害ではありませんが、多くは発がん性の物質であったり、中にはシアン系の化合物だったりします。
動物による食害の場合にもそのような物質が植物体内にできるかもしれませんが、それらが植物自体に有害ではないでしょう。植物体が著しい損傷を被って生命機能の維持ができなくなれば枯れますが、植物は再生機能が大きいので、一部でも生きておれば、新しい芽ができたりしてやがて個体が再生するでしょう。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見  允行
回答日:2017-01-24
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