質問者:
高校生
植物太郎
登録番号3672
登録日:2017-01-22
私は学校で「植物への接触による応答」というテーマで研究をしています。みんなのひろば
植物の葉の裏への接触
ブロッコリースプラウトを用いて葉の表、裏をなでてどちらがより成長するのかということを実験しました。(本実験3回、追実験1回:1回=2週間育てる)
その結果葉の裏をなでたほうがより成長しました。
時間が限られており、もう実験する時間がないので原因を調べることができません。
なぜ葉の裏をなでたほうがより成長したのか。
葉の裏には接触すると、何か成長を促す作用があるのか。
ご存じでしたら教えていただけたら嬉しいです。
ヒントでもいいです。
研究結果の解釈・考察に行き詰まったのでこちらに質問させていただきました。
よろしくお願いします。
植物太郎様
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。あなたが実験されていることは植物の刺激形態形成反応の一つで、面白いテーマだと思います。ただ質問の内容からは具体的にどんな条件で実験が行われたかがわかりませんので的確な回答はできません。ブロッコリスプラウトお使ったということは、ブロッコリの種子をまいて発芽したものを使ったのでしょうね。その時、実際に接触実験に用いた植物体はどういう基準で選択したのですか? また、1セットに何本使ったのですか? もし、ブロッコリスプラウトがサラダとして食べるものと同じだとすると、本葉は出ていないので、とても小さい子葉を使ったことになりますね。そのような小さな子葉の裏側を均一に撫でるという刺激をどのようにしておこなったのでしょうか? 成長への影響を調べたのですが、「成長」とはどういうパラメータで測定したのですか? 茎(胚軸)の長さ/太さ/重量、子葉の面積/重量あるいは地上部全体の生/乾燥重量などなど? また、植物の生育条件(温度、光、水など)も分かるといいですね。実験ついて質問される時は、できるだけ具体的に実験方法を記述していただくと助かります。
以上のことを踏まえた上で、一般的なことを説明します。 植物は外界から様々な物理的、化学的、生物的刺激を受けますので、植物は様々な刺激応答のメカニズムを備えています(例えば、登録番号0458参照)。
一般に接触刺激は成長を抑制するのが普通です。植物は揺られたり、叩かれたりなどの物理的刺激があると、倒れたりしないよう体を変えようとします。そのため伸びることを抑え、茎などを太くして構造的に強くしようとします。サトウダイコンの苗を育てるのに、畑で苗の頭(葉)を毎日軽く板のようなものでさすって、苗の茎を太く丈夫にする作業が行われていましたが、現在も続いているかどうかわかりません。また、栽培しているユリの頭部を撫でてやると背丈は低いが花は早く咲くことも知られています。これらの接触刺激は植物ホルモンのエチレンが一般的に関わっていることが知られてます。つまり、物理的な刺激により、エチレンが合成されて、それが成長を抑制したり、茎を太らせるのです。刺激に応答してできるホルモンにはジャスモン酸もあることが、シロイヌナズナで報告されています。この場合は花芽の形成に影響します。
結論として、接触刺激は成長を抑えるというのが一般的なので、もしあなたの結果が確かなら、興味のある観察です。一般に葉の裏と表とでは、植物の種類にもよりますが、気孔の数は裏側が多いし、クチクラ化は表の方が進んでいます。また、毛(あるとすれば)の数などにも違いはあるでしょう。ブロッコリスプラウトについては知りませんが、こういう形態上の差が何らかの違いをもたらしているのかも知れません。いずれにしても、「撫でることが」成長に何らかの影響をもたらすことは事実ですが、あなたの実験結果を質問内容からだけでは適切に解釈することはできません。
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。あなたが実験されていることは植物の刺激形態形成反応の一つで、面白いテーマだと思います。ただ質問の内容からは具体的にどんな条件で実験が行われたかがわかりませんので的確な回答はできません。ブロッコリスプラウトお使ったということは、ブロッコリの種子をまいて発芽したものを使ったのでしょうね。その時、実際に接触実験に用いた植物体はどういう基準で選択したのですか? また、1セットに何本使ったのですか? もし、ブロッコリスプラウトがサラダとして食べるものと同じだとすると、本葉は出ていないので、とても小さい子葉を使ったことになりますね。そのような小さな子葉の裏側を均一に撫でるという刺激をどのようにしておこなったのでしょうか? 成長への影響を調べたのですが、「成長」とはどういうパラメータで測定したのですか? 茎(胚軸)の長さ/太さ/重量、子葉の面積/重量あるいは地上部全体の生/乾燥重量などなど? また、植物の生育条件(温度、光、水など)も分かるといいですね。実験ついて質問される時は、できるだけ具体的に実験方法を記述していただくと助かります。
以上のことを踏まえた上で、一般的なことを説明します。 植物は外界から様々な物理的、化学的、生物的刺激を受けますので、植物は様々な刺激応答のメカニズムを備えています(例えば、登録番号0458参照)。
一般に接触刺激は成長を抑制するのが普通です。植物は揺られたり、叩かれたりなどの物理的刺激があると、倒れたりしないよう体を変えようとします。そのため伸びることを抑え、茎などを太くして構造的に強くしようとします。サトウダイコンの苗を育てるのに、畑で苗の頭(葉)を毎日軽く板のようなものでさすって、苗の茎を太く丈夫にする作業が行われていましたが、現在も続いているかどうかわかりません。また、栽培しているユリの頭部を撫でてやると背丈は低いが花は早く咲くことも知られています。これらの接触刺激は植物ホルモンのエチレンが一般的に関わっていることが知られてます。つまり、物理的な刺激により、エチレンが合成されて、それが成長を抑制したり、茎を太らせるのです。刺激に応答してできるホルモンにはジャスモン酸もあることが、シロイヌナズナで報告されています。この場合は花芽の形成に影響します。
結論として、接触刺激は成長を抑えるというのが一般的なので、もしあなたの結果が確かなら、興味のある観察です。一般に葉の裏と表とでは、植物の種類にもよりますが、気孔の数は裏側が多いし、クチクラ化は表の方が進んでいます。また、毛(あるとすれば)の数などにも違いはあるでしょう。ブロッコリスプラウトについては知りませんが、こういう形態上の差が何らかの違いをもたらしているのかも知れません。いずれにしても、「撫でることが」成長に何らかの影響をもたらすことは事実ですが、あなたの実験結果を質問内容からだけでは適切に解釈することはできません。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2017-01-24
勝見 允行
回答日:2017-01-24