質問者:
教員
green
登録番号3677
登録日:2017-01-31
授業でジャスモン酸の説明をしたとき、生徒から「大根の辛み成分も、植物ホルモンですか。」と質問されました。その生徒は中学校の国語の授業で読んだ「ダイコンは大きな根?」(引用:ダイコンの辛味成分は、普段は細胞の中にありますが、虫にかじられて細胞が破壊されると、化学反応を起こして、辛味を発揮するような仕組みになっています。)という文章を読んで、ジャスモン酸と似ていると感じたそうです。大根の辛み成分はイソチオシアネートだということは分かったのですが、植物ホルモンなのかが判断できません。是非お教えいただきたく、よろしくお願いいたします。
みんなのひろば
イソチオシアネートは植物ホルモンですか?
green 様
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。植物ホルモンはならかの形で内的に植物の成長・発生の過程の調節じ関与している分子です。(本学会編集『これでナットク植物の謎』ブルーバックス、講談社をご覧ください。)。現在植物ホルモンとして知られているのは、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、エチレン、アブシシン酸、ブラシノステロイド、ジャスモン酸、ストリゴラクトンデスガ、他にサリチル酸、フロリゲン(タンパク質)、ペプチドホルモン、マイクロRNAなどの分子が調節因子として知られています。(『新しい植物ホルモンの科学 第3版』、浅見忠男・柿本辰男編、植物化学調節学会協力、講談社、2017)を読んでください。植物は様々な外部からの障害(病害、虫害、食害など)を受けると、それに抵抗するために抗生物質的な分子を生産して抵抗します。これらの分子はファイトアレキシン(登録番号0246, 0265参照)と呼ばれている分子です。このような仕組みは植物にとっての免疫機構ででもあります。シオシアネート類の分子はたくさんありますが、カビにたいする抗菌物質としての作用もあります。したがって、イソシアンート化合物は植物ホルモンではなく、むしろファイトアレキシンと考えられます。ちなみに、イソシアネートが何らかの植物ホルモン様作用を有するという報告はない様です。
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。植物ホルモンはならかの形で内的に植物の成長・発生の過程の調節じ関与している分子です。(本学会編集『これでナットク植物の謎』ブルーバックス、講談社をご覧ください。)。現在植物ホルモンとして知られているのは、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、エチレン、アブシシン酸、ブラシノステロイド、ジャスモン酸、ストリゴラクトンデスガ、他にサリチル酸、フロリゲン(タンパク質)、ペプチドホルモン、マイクロRNAなどの分子が調節因子として知られています。(『新しい植物ホルモンの科学 第3版』、浅見忠男・柿本辰男編、植物化学調節学会協力、講談社、2017)を読んでください。植物は様々な外部からの障害(病害、虫害、食害など)を受けると、それに抵抗するために抗生物質的な分子を生産して抵抗します。これらの分子はファイトアレキシン(登録番号0246, 0265参照)と呼ばれている分子です。このような仕組みは植物にとっての免疫機構ででもあります。シオシアネート類の分子はたくさんありますが、カビにたいする抗菌物質としての作用もあります。したがって、イソシアンート化合物は植物ホルモンではなく、むしろファイトアレキシンと考えられます。ちなみに、イソシアネートが何らかの植物ホルモン様作用を有するという報告はない様です。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2017-02-01
勝見 允行
回答日:2017-02-01