一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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インビトロ・プランツについて

質問者:   その他   伊藤 正
登録番号0368   登録日:2005-08-30
最近よく聞くようになりました、インビトロ植物(花・野菜など)って、どういうものでしょうか?
また、日本では何社くらいの企業が販売しているのでしょうか?
そして全国でどれくらいの販売実績があるのか?

以上、お分かりの範囲で結構ですが教えていただけますか?

よろしくお願い申し上げます。
伊藤 正さま
 頂いたご質問の回答を植物のインビトロ培養に詳しい東京大学の長田敏行先生にお願いいたしましたところ、“質問の意味が明確でないところがありますが、答えが不十分なら更にということで”ということで、以下のような回答を頂くことができました。もし、答えが不十分のようでしたら、再度、ご質問をお寄せ下さい。


 インビトロ植物というのが、繁殖過程にインビトロを経ているという意味でしたら、決して最近のことではなく、特にラン科植物のいわゆるメリクローンですと1950年代のG. Morelにさかのぼり、世界的にも日本でも大小数限りないでしょう。あいにく数値は存じません。  
 また、その発展で、野菜、花卉類でも広く行われております。要は、栄養繁殖のものはウイルスに感染していることが多く、その除去が目的です。地方自治体の研究機関でウイルスフリー苗を作り、それを大量繁殖するわけですから、これも数限りないでしょう。これは、農水省が統計数値を持っていると思います。
 特に世界的には、今やバナナのプランテーション、ヤシ類のプランテーションで広く行われており、多分それが最も大規模でしょう。
 これらは、いずれも植物細胞の分化全能性の応用で、体細胞由来のクローン植物ということになります。
 さらに、それに遺伝的なものが加わると、サントリーなどのサフィニア等になりましょうが、それはそう多くないでしょう。GMO植物もインビトロのプロセスが含まれるという点ではその中に入るかもしれません。
 こんなことは小生らの「植物工学の基礎」(東京化学同人)にも書いてあります。
 取り急ぎきのつくまま。
           
 長田 敏行(東京大学)
JSPPサイエンス・アドバイザー
 柴岡 弘郎
回答日:2009-07-03
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