一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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種子類の浸水と毒性の減少について

質問者:   一般   ユイ
登録番号3680   登録日:2017-02-03
フィチン酸やアブシジン酸は人間の体にとって害があるため、穀類や生の種実類は浸水、発芽させてから食べることが料理をする人達の中では常識となってきていますが、自分で調べた限りではまだ科学的に納得のいく説明に出会っていないため疑問が多くあります。

まずフィチンは植物ホルモンではないようですが、浸水させることによって影響を小さくするということは、休眠解除によってではなく水に溶け出させて量を減らすということでしょうか?
ユイ様
 登録番号3680, 3681, 3682と3通ものご質問有り難うございました。3 通のご質問が関連したご質問ですので、「種子を水に浸すことでどんな効果が期待出来るか」と言うことにまとめた形で考えさせて頂きます。
 登録番号0473にもあるように、フィチン酸は鐵や亜鉛と結合して水に不溶な状態にあるので、水に浸すことで種子中の含量を減らすことは期待出来ないと思います。
 アブシジン酸ですが、コムギやタバコなどの休眠種子が吸水すると、一過的にアブシジン酸量が高まることが知られていたりして、吸水によるアブシジン酸量の減少を一概に期待することはできないように思います。それより、アブシジン酸は種子だけでなく葉や果実にも含まれており、摂取量から考えると、種子のアブシジン酸量に拘るのはどうかと言う気がします。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2017-02-08
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